2016-02-25

*[Twitter]44才男と女性と夜廻り猫

昨日、TLにて紛糾した話題を改めてまとめたいと思ったのでここに記す。

「夜廻り猫114」

https://twitter.com/fukaya91/status/702078119272779776

この44才男の言動に対し

  1. コミュニケーションを取ったこともない相手にいきなり告白するなんて気持ち悪い
  2. 非モテ童貞44才なのに美人の27~8才と付き合えると思っているなんておこがましい
  3. 勝手想像したイメージ事実が違うから詐欺だと吐かすなどクズな奴だ
  4. 女性たちは距離なしキモ男に告白なんかされて傷ついているはずだ、被害者面するな
  5. 慰められてまた頑張ろうとしているが、またそのコミュ症で女性を傷つける気か

などなどの意見散見された。

そして夜廻り猫に対し

  1. 何故傷ついたであろう女性の方に行かず、こんな男の話を聞くんだ
  2. こんな男、慰める必要はない。まして「よくやった」とは何事だ

という意見が出ていた。

1~3の非難へのレスポンスは次に公開された続きを読むとこうやって出来上がったのだなというのはわかる。

「夜廻り猫115」

https://twitter.com/fukaya91/status/702442532576350209

経験がないなら気持ちの悪い行動をしてもいいか、といえばそうではないが、あくまで背景として理解はできまいか。

問題は男への非難4・5と猫への意見である

今回の漫画に強く憤っている方々は、実際に過去似たような経験をし、その際に不快な思いをした人達が多いようである

「ほぼ面識のない男性好意を示され、断ると罵倒してきた」

「通っていた場所挨拶程度の付き合いの人に告白され断り、行きづらくなって通うのを諦めた」

職場仕事のこと以外交流のない同僚に好意を示され、その気がないので事務的対応をしていたら逆恨みされ、

 仕事に支障が出るようになり辞めることになった」

etc...

気の毒としか言い様がない。

しかし、今回の漫画にそのような描写はない。

「44才男側の視点から描写されなかっただけで、大学の時の女性喫茶店の奥さんも身の危険を感じて

から逃げ回らざるを得なくなったはずだ」

と断定するのは少々飛躍し過ぎなのではないか。

楽天的すぎると思われるかもしれないが

大学の時の女性はその時は不審に思うもののすぐ彼の存在を忘れ、彼とは無関係場所楽しい大学生活をエンジョイ卒業した」

とか、

喫茶店の奥さんとはこれを機会に軽い世間話をする関係になり、彼のコミュ症を軽減する大きなきっかけとなる」

とか考えることも出来るのではないか。

描かれていない部分を妄想することは楽しいものである

それはシュレーディンガーの猫のようなものであり、この漫画には

「見ず知らずの女性を無神経に傷つけたにも関わらず、被害者面して反省もせずに女性非難するクズ男」と

女性たちに歯牙にも掛けられず、自信が持てないまま歳を重ねてしまったコミュ症で無害で哀れな男」が同時に存在している。

どちらを感じ取ったかでこの漫画への評価は真っ二つに分かれそうだ。

さて、猫への意見

もし傷ついた女性がいるのであれば、それを作者が描くかはわからないが、いずれ夜廻り猫は訪れるのではないかと思われる。

そして何故この男を慰めるのか、という点。

傷ついた女性がいないのであれば、この男が成長するための一歩を踏み出した勇気への慰めと受け取ることが出来る。

もし傷ついた女性がいるとしたら。

この猫の行動は、刑務所に訪れる牧師や坊さん

(教誨師https://kotobank.jp/word/%E6%95%99%E8%AA%A8%E5%B8%AB-52465)

に似た存在といえるのではないであろうか。

罪を犯し、刑に服役しても、己の罪を振り返り繰り返さないと誓わなければきっとまた罪を犯してしまう。

しかしそこでじっくりと話を聞き、自問自答の手助けをし、心から罪を償い過ちを繰り返さないという結論へ導くのが彼らの仕事と聞く。

改心したとしても傷つけられた人たちから許されることはないかもしれないが、

更に誰かを傷つける事のないように残りの人生を全うするための大きな力だと思う。

男が一人だった場合、上手くいかなかったことへの憤りから自分の行動を振り返ることをせず、

またいつか同じことを繰り返すかもしれない。

そうすれば、傷つく女性は増えるであろう。

だが、猫と話すことで彼は「親切と好意は別である」と知り、世の中にはいろんな女性がいることを知り、

相手自分のことを知ってもらったり、相手のことを知ってからでなければ先に進むのは難しいことを知り、

自分が誰かに求められる存在になるには手遅れ」ではないことを知る。

今後、彼が傷つけるかもしれなかった女性は、猫のおかげでいなくなるかもしれない。

それでも、猫がこの男の元に訪れ、話を聞いたことは批難されるだろうか。

視点を変えればなんとでも読める作品というのは脳みそが揉まれるようで面白い

この話を読んで男の言動や猫の行動に憤り、作品から離れる人がいたとしたら、それはもったいないことではないだろうか。




長ぇよオイ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん