以前、自分は海外の会社に勤めていた。ネット経由で仕事するという、最近良くあるスタイルの会社で、今まで二社経験がある(クラウドソーシングとかじゃなくて、れっきとした専属の社員です)。
その二社目にいる時に、日本人の別のソフトウェア技術者が入社したのだけど、その人は半年でクビになってしまった。自分はマーケティング系職務だったので、クビになった技術者が何をしていたのかは知らなかったが、その一ヶ月後に日本の大手IT系企業に入って、その後長くやっているので、技術に問題があった訳じゃないだろう。
自分は二社とも日本人一人の状態で参加していて、そもそも語学は大して上手くない人間なので、「うかうかしてると振り落とされる!」という強迫観念もあり、言われないことでも積極的に提案したりモデルを作ったりして、それなりに評価されていた。なので、会社との合意でない限りやめることはなかった。じゃあ、クビになった人は何が出来なかったか。
ひとつは、先に日本人がいたことで、甘えがあっただろう。要するに、仲良くしていれば自分の立場を守ってくれるという認識がどこかにあったんじゃないだろうか。実際に接していてそう言う印象は受けた。でも、ネット経由で仕事する限りは、そんなものは通じない。ましてや、相手は異国人。そういう人に、期待しても仕方ない。
もう一つは、(結局同じことだけど)自分から積極的に成果をプッシュすることが出来なかったのだろう。別段優れた成果である必要はなくて、ソフトウェアの簡単なバグを直したり、速度の遅い所を改善したり、そんなものでまずは良かったはずだ。だけど彼は、浮かれていてふわふわした印象も受けた。だから、最低限の成果を出すことが出来ず、結局クビになってしまったのだろう。
最近はグローバル人材とかいって海外とコミュニケーション出来る人材がもてはやされるし、ネット経由での仕事も多くなってきた。一方で昔ながらの「外国でビジネスしても上手くいかない」「外国人が思った通り動いてくれない」という嘆きも耐えない。だけど、そんな話を聞くたびに「日本人とコミュニケーションするのと同じルールで接していても上手くいく訳ないじゃん」と感じている。逆に日本人と接していると、「なんでコミュニケーションがそんなに適当なんだ」と思ったりもする。
仕事上で外国人と接する際のポイントは(自分の場合は、いわゆるアメリカ型で、アジア、アフリカ方面は知らないけど)
まあ、要するに、日本人同士なら「それは言い過ぎ」「きっとわかっているはず」と思っていることもしっかり表現しましょうということだ。ただ、これって、普段使わない思考能力を使うために、結構大変。予想よりも訓練が必要。自分の意識下に眠っているものを一生懸命掘り出していく必要がある。例えば、ソフトウェアを作成する際に「この仕様書通り作成して」と伝えると、その仕様書に書いてないことは、ほぼ達成されない。「数字は通常通り桁を合わせる」とか「エラーの出力は普段通り」と思っていても、はっきり書かないと応じてくれない。子供と接するくらいの気持ちの方が却って良いです。日本人だとバカにされてると感じるくらい。
日本人だとNoというと非協力的だと思われがちだけど、海外のきちんとした会社であれば、適切なエビデンスとともにNoということは、「問題を改善する積極性がある」と評価される。
その上で、
http://ayato.hateblo.jp/entry/20140129/1391004860
を読むと、「まあ、相手も悪いけど、この人も説得力のない資料を作ったんだろうな」と思っちゃう。伝えきれなかった方が負けって感じで。さすがにそれは言い過ぎかもしれないけど。
話の取っ掛かりとして技術者をだすのはいいけど 実際ここに書いた理由でクビになったか知らないんだよね? 「これは予想だけど」の枕詞もなしに決め付けでダメだった理由を書いちゃ...