「J-LIS」を含む日記

はてなキーワード: J-LISとは

2022-12-22

■もうやめようよ…

個人番号 カード（マイナンバーカード）について

前書き

某自治体職員（出張所窓口）です。

うちの自治体でも、全庁を挙げて必死に個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードを推進しています。

出張所なので、可能な手続きはもともと限られているのですが、いま来るお客さんはほぼマイナンバーカードの「新規申請」か「引渡し＋マイナポイント獲得の手伝い」です。

新規 申請

写真が若干面倒だったり（無料撮影サービスをやっていますが、J-LIS以前に本庁での審査が厳しすぎる）、本人限定受取郵便を希望されると書類が増えたり、代理受取り希望だとさらに書類が増えたり（本人が来庁できない理由を証明し他者へ委任する必要があるため：多数の書類が必要なのは引渡し時ですが）、既申請者が「交付はまだか！」と怒鳴り込んできたりします。
オンラインで発行状況が確認できることに気づき始めた住民も増えてきて、「国は自治体へ発送していると出てるのに、アンタらから通知が来ないのはアンタら怠慢ってことかしら？」と怒られることもしばしば。
ひとりでも希望者がいるならどこへでも出張申請受付に参ります！と宣伝してしまったせいで、本庁には出張申込みが殺到しているらしいです。うわー…

電子証明書の更新もぼちぼち増えてきました

これは下記と同じ問題を抱えています（暗証番号の件）。

問題はマイナンバーカードの受取り（引渡し）

うちの自治体はカード引渡しを最寄りの出張所で行う（予約すれば他の出張所や本庁も可）ので、引渡しには多くの人が訪れます。

本人確認 書類がない

基本は顔写真付きの公的書類1点ですが、対象外のものもあります（漁師町なので免許証といえば小型船舶操縦免許証ですが、これは2点確認が必要）。
自動車の運転免許証がないお年寄りは保険証二点の確認（後期と介護など）をしますが、介護保険証をなくしている人が多くて。同時に介護保険証を再発行申請して無理くり二点確認したりとか（介護保険証は後期高齢者医療被保険者証だけで再発行可能）。
15歳未満もきっちり二点確認しますが、親御さんも本人確認が必要です。子どもさんのは保険証＋こども医療受給者証とか母子手帳とか学生証でいけますが、それらを用意できない人もいるようでして、窓口で激昂されたこともしばしば。

本人が来づらいor来られない

本人が苦悶の表情を浮かべているのに、関係者が無理やり車いすに乗せて引きずり回しているのを見るのは、ちょっと気の毒です。
代理受取りは前述のとおり書類が多くて、それを封入し封印したうえで代理人が持参する必要があります。不備があれば出直しです。一発で終わる人はまずいません。

受取りに来てくれない

申請するだけで満足したのか、受取りに来ない人がたくさんいます。
受取りに来ない人のところには戸別訪問して役場へ行くよう促すそうです。不審者だ詐欺だと通報されそうですが、大丈夫ですか。来たほうは思うでしょうねぇ、「うちまで来るならカード持ってきてくれよ」と。
簡易書留で催告を送るほうがコスパもいいと思いますが…

暗証番号（パスワード）が

利用者用電子証明書など（数字4ケタ）はともかく、署名用電子証明書（大文字英数混合6ケタ以上）に苦労するお年寄りが多くて多くて。
まずアルファベットに慣れていない。何を設定したらいいか思いつかない。（本当はいけないのですが職員の助言で）やっと考えられてもタッチパネルをうまく押せない。お年寄りに暗証番号やパスワードの概念は、まず無理なのでは。慣れない英数6ケタとかねぇ。最後は「役場の人が勝手に…」とか言い出すし。
5年前にカードの交付を受けて更新にやってきた人は、まず暗証番号をふたつとも忘れています。本人控えの紙もなくしているので、再設定からです。電子証明書の期限が切れていることに気づかずマイナポイントを申請しようとして「ポイントがつけられない！」と乗り込んでくる人もちらほら。
本人控えの紙は、ちゃんと保管しておいてくださいね…

クズ ポイント 制度

みなさんマイナポイント2万円分がほしくてマイナンバーカードを申請したんでしょうけど（ああ言ってしまった…）、幼い子どもさんやお年寄りのポイントをがっつり自分が使おうとしている人、もう最初からミエミエで相手にしたくなくなります。
ポイントを受け取る受け皿は住民が自ら用意しなければならないはずですが、そのことが全く理解されていません。公金受取口座を登録すればそれに2万円が振込まれるとか、マイナンバーカード自体がプリペイドカードになっていると思っている人もいました。
役場でもマイナポータル用のPCとカードリーダを用意しているので、うちでも申請のお手伝いはできるのですが、受け皿がないのではどうにもこうにも。
- というか、スマートフォンでもPCでもキャリアショップでもどこでもポイントの申請はできますが、なぜか「役場でしかできない」と思い込んでいる人が多いです。
何を用意したらいいのかと尋ねられても、いいアドバイスができません。生活スタイルなんて人それぞれですし、サービスも多すぎます。ペーぺー使ってないかとか、犬のマークのプリペイド持ってないかとか、7個は持ってないかとか尋ねるのですが…どれも持ってないんですねぇこれが。
- まあ最終は犬のマークのカード（300円）買ってきてね、でだいたい落ち着くのですが…これはポイントが付くのが遅い（獲得5000Pのほうはチャージ額を1か月ごとに集計している）うえに、店頭のなんとかステーションでポイントのダウンロード操作が必要なので、そこもまたお年寄りには理解しにくい。で、「ポイントまだかー」と問い合わせが殺到すると。
- 携帯キャリアの決済サービスに登録したい人も多いのですが（ショップの口車に乗せられてマイナンバーカードを申請した人もかなりいる）、アカウント IDがわからないと役場ではどうにもならないし、結局は「ショップ行ってきてください」と言うしかなくなります。それで無能だなんだと罵られても、こちらがアカウントの再設定を住民のスマートフォンでやるのもおかしいでしょう。キャリアによっては必要な番号などをスマートフォンの決済アプリで確認できるようですが…
ていうかていうか、ポイント獲得のお手伝いって、自治体職員がやるべきことなんですか。上記のとおり、こちらから踏み込めない範囲にあることは自分でやってもらわないと困りますよ。それを支援してくれる第三者なり家族がいてくれればいいのですが…
公金受取口座の登録ですが、これを登録しても残高を覗かれたり差し押さえられたり税金の引き落としがされることはありません。公金「受取」口座です。

余談：磁気不良というけれど

カードの製造を急ぎすぎているせいか、非接触 ICカードリーダで読めないカードが多い印象です。
接触型リーダなら読めるのですが、J-LISとつながっているカード操作用の端末は非接触リーダなので困ります。
役場内部ではこれを「磁気不良」と呼称しています。正確にはICチップやアンテナの破損なので、磁気ではないと思うのですが…
ちょっと電気に詳しい住民からは「これ非接触 ICカードでしょ？磁気ストライプ使うことあるの？ICカードに磁石の悪影響はないとは言わないけど、非接触リーダで読めないのが磁気不良ってなんかおかしくない？」と突っ込まれました。。。
ちなみに「磁気不良」によるカード再発行手数料は住民負担で実費です。これもどうなんだと思いますが…