2022-07-19

統一教会に対する法整備必要性

僕は消極的野党支持者で、固定支持政党を持たず立憲、共産国民にそのときそのとき投票している。自民党はもう少し議席を減らしてバランスを取ってほしいと考えるからだ。とはいえ安倍元首相殺害されたのはとても遺憾であり、犯行はどんな理由があろうと同情も支持もしない。

なお、法律専門家ではないので嘘を書いている可能性がある。

事件以来、インターネット上では統一教会批判一色だが、僕は自分の態度を決めかねている。もちろん感覚的には理解できて、政府カルトが食い込んでいるのはとても嫌だ。しか統一教会のものを、または自民党との繋がりを確実に断てるだけの法的根拠があるのか?について僕は疑念を持ってしまった。

政教分離原則

まず党と宗教団体の繋がりについて。

公然の秘密として、自民党公明党特定宗教団体懇意にしているが、これを排除することはできるだろうか。「政教分離原則」を考えてみることにする。

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上権力行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない。

政教分離憲法20条で定められていて、今回のケースでは

“国から特権を受け、又は政治上権力行使してはならない。”

この解釈が争点になるはずだ。

広義に捉えると、政治家政党宗教団体が介入すること自体が「政治上権力行使」と捉えることができ、

自民公明両党(もしかすると他の政党も)は違憲ということになる。

狭義には、政教分離国民信教の自由保障するためのものであり、宗教から政治介入グレーゾーンとも言えるようだ。

そのため、狭義解釈では政党宗教団体との繋がりを即座に排除できるものではない。

実際に、公明党幸福実現党はこの解釈エクスキューズとして採用している。

https://www.komei.or.jp/faq/

https://info.hr-party.jp/faq/2492/

狭義・政教分離観点から自民党を追及するには、特定の事案で政府統一教会に肩入れした、特別扱いしたと証明する必要がある。

しかしながら、安倍元総理プライベートに肩入れしていたとしても、これは根拠として弱いのではないだろうか。もし仮に行政での事案が見つかったとすればモリカケ・桜くらいのインパクト自民党に与えることになるだろう。(逆に言えば、誰かが謝罪したり辞任したりで幕切れ、または関係者である元首相がこの世を去ったことで有耶無耶になる程度かもしれない。)

9条の自衛隊解釈を見れば分かるように憲法解釈神学論争に陥りやすいので、白黒つけるには改憲立法裁判所による違憲判決を待つしかなさそうだ。付け加えると、世界に目を向けてみても広義での政教分離を成し遂げている国は米国も含めて殆ど存在しないのではないだろうか。また、仮に内閣全員が統一教会信者でも、それは個人信教の自由であり、やはり排除することはできないだろう。

もう1点、見落としがちな点としては、たとえ組織票だとしても自民党公明党を支持する信者は確かに存在するということだ。宗教団体の支持する政治家がこれによって当選し、(政教分離抵触しない範囲で)宗教に都合の良い政策を行うことは通常の選挙政治プロセスと見分けが付かない。僕は保守的な反LGBT政策には反対の立場だが、それを是とする宗教政党が支持され、議席を持つことは民意であり否定することはできない。これは反ワクチンを掲げる参政党についても同じことが言える。必要なのは支持層への関心と対話であり、一足飛ばし政治家政策キャンセルすることはできないのではないだろうか。

カルト規制

次に、統一教会のものカルトとして断罪することはできるか考えてみる。

いくつかの記事では、オウム真理教同様に統一教会宗教法人格を剥奪するという話が出ていたようだ。もちろんこれができれば良いが、その基準法的根拠は何になるのだろうか?(間違っていたら申し訳ないが)僕の知る限り、カルト定義日本法律では存在しないように見受けられる。オウム真理教のようにテロ国家転覆殺人計画・実行した組織なら公安による監視・取り締まり対象だろう。しかし、(詐欺人身売買などで立件できるならともかく)悪質な宗教団体、というだけでは警察公安も動けないのが現状ではないだろうか。

やまとQ(正しい漢字を調べるのも面倒だったので割愛)は取り締まりの動きが早かったが、これは医療施設への妨害行為が原因と考えられるので、やはりサボタージュなどで教団外の社会一般人に対する直接被害の有無が分水嶺と見て間違いなさそうだ。また、オウム真理教の関連組織であるアレフ宗教法人認定されていないが、その後も活動を続けていることから銀の弾丸にならない可能性があることにも注意したい。

公安警察による取り締まりしろ宗教法人認定厳格化しろ、(意外なことだが)国による宗教の選別となり、政教分離的には後退にあたると考えられる。立法によるカルト定義明確化なしでは国による恣意的運用を許すことにもなる。

まとめ

僕の意見としてはフランスのように反セクト法相当の立法をしてカルト定義明確化し、宗教法人格の管理罰則化は必要だと思うし、これを欠いて恣意的宗教規制するのは法治主義とは言えないはずだ。それに加えて累進的な宗教課税検討すべきときが来ていると思う。さらに僕なりの結論としては、現行の法体制統一教会感情論以上の追及は難しく、居直って自民党との関係公然のものとし、公明党と同様のスタンスを取り始めたら手が出せない可能性がある。法整備が急務である

自民党支持者へ

自民党統一教会の繋がりを良しとする人。あなたは今後も自民党投票し続ける自由がある。

それはあなた権利だし、法根拠なく自民党統一教会を止められるものでもない。

一方で自民党支持者で統一教会を良しとしない人。もし良ければ次の選挙だけでも野党投票してくれないだろうか。

自民公明ともに宗教との関わりが深い政党のため、外圧なしには自浄作用を働かせるのは難しいだろう。

  • 私ネトウヨだけど、ほぼ同意。 現行法では反社やカルトと認定できないという大前提があり だから今はその建前で話して、将来どうするかを議論しなければならない。 東浩紀がスタン...

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