はてなキーワード: マーケットデザインとは
経済学の用語であり、大きく二つの分野で用いられている。一つはサーチ理論とも呼ばれ、求人が多いのにも関わらず就職が決まらない人が少なくない労働市場のミスマッチ状況に関して、需給関係以外の賃金、雇用条件、労働者の技能や質など様々な摩擦要因(サーチコスト)を考慮して解明した理論。2010年のノーベル経済学賞の対象となった。もう一つは個々人の要望と社会のニーズをうまくマッチングさせながら、安定的な組み合わせを決める理論であり、例えば、複数の男女の間で希望する求婚相手を効率的に見つけたり、研修医が働く病院を一定のルールに従って決めたり、生徒が望ましい学校を選択する際の仕組みでの有効性を示した。既存の社会制度や市場を分析する伝統的な経済学とは異なり、現実的な制約の下で参加者の希望が最大限かなうような社会市場の制度設計自体を行う「マーケットデザイン」という分野を切り開いたことで、2012年のノーベル経済学賞を受賞している。