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2024-03-21

20代オルカンを勧めるのはボラティリティの小鬼対策やで

anond:20240318140204


パッと見、ボラティリティの小鬼に言及している人がいなさそうなので書いとく。

長期投資(※ここ重要!)オルカンやS&P500を勧められる理由は、ボラティリティの小鬼を調子づかせない範囲でそれなりのリターンを得られる可能性が高いかなんやで。

あの連中、たかだかNASDAQ100ぐらいでも小鬼じゃなくて中鬼になるからなあ。


ボラティリティの小鬼について、ネット上で分かりやすいのは↓のページの「リスク資産をむしばむの図」かなあ。

http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2017/01/post-ddd0.html

リスク資産って、原理的にはボラティリティリスク分の価格上下変動を繰り返すことで資産が目減りするのよ。

例えば、インフレ考慮しないと仮定すると、平均期待リターンが0%の無リスク資産は目減りしないけど、平均期待リターンが0%のリスク資産は目減りしていく。

で、ボラティリティリスクが大きいリスク資産であるほど、目減りする分量が大きくなっちゃうわけ。


この、価格上下変動の繰り返しによって資産が目減りする現象を、「バイ・アンド・ホールド時代終焉」という本ではボラティリティの小鬼と呼んでいる。

加えてワイは、ボラティリティリスクが大きくなるほど目減りする分量が大きくなることを「中鬼になった」とか「大鬼に化けた」と言っている。


現実リスク資産が増えていく(ことが多い)理由は、目減りする分量を上回る期待リターンが得られるからだ。

とはいえ信託報酬率や総経費率は低い方が良いのと同じく、ボラティリティの小鬼の影響だって小さい方が良いわけだ。


じゃあどうすればよいのか?

アセットアロケーションポートフォリオを工夫して、ボラティリティリスクを小さくしつつもそれなりにリターンが得られるようにすればOK


ボラティリティリスクを小さくする唯一の方法分散投資やね。

「ここ100年ぐらいは金や債券よりも株式のリターンが高かった。今しばらく(今後20~30年ぐらい)はこの傾向が続くのではないだろうか?」という立場をとるならば、例えば株式100%でいくなら「株式の中で分散させる」ことでボラティリティリスクが小さくなる。もう少し安全に行きたいなら、株式債券REIT・金などを加えて「アセットクラス分散させる」ことでボラティリティリスクがより小さくなる。


いわゆる「教科書的なインデックス投資」は両方を組み合わせている。

株式については全世界株式分散させるし、アセットクラスも最低でも「株式債券」に分散している。

(「株式債券」は主にアメリカ国内向けのアイデア米国債低リスクなのにインフレをしのげる程度のリターンが得られるからね。日本では低金利すぎてインカムゲインとしての国内債券が息をしていない上に、今後の金利上昇見込みでキャピタルゲインとしての国内債券ダメダメで、加えて外国債券は為替リスクが高くてリターンに見合ってないので、泣く泣く債券の代わりに預貯金個人向け国債選択する人が多い)


株式分散」という文脈では、オルカンのような全世界株式が本流で、実のところS&P500やCRSP US Total Market Indexは傍流。

オルカンに比べればS&P500は集中投資の側で、そこには「なんやかんや言うても、ワイが資産運用し続けるだろう今後20~30年ぐらいは、アメリカはんも好調ちゃいます?」という暗黙の市場判断がある。

たぱぞう氏のように、市場を読んで判断していることになる。


それで、「アメリカはんも好調ちゃいます?」というインデックス投資家でも、十中八九S&P500やCRSP US Total Market Indexを勧めるのは、やっぱりボラティリティの小鬼がちらつくからなのよ。

たかだかNASDAQ100でも、長期投資ではボラティリティリスクが大きすぎて小鬼から中鬼になっちゃう。


NASDAQ100やFANG+のようなおやんちゃインデックスは、短~中期ぐらいの視点で売買して市場うねり取りに使うのが正しい。長期投資向けにガチホするのはNG


から、長期投資前提のインデックス投資家の場合、NASDAQ100やFANG+を持ち出す際にはコア・サテライト戦略みたいに「最低でも2階建て」の方針を打ち出すはずだ。

1階ではS&P500やCRSP US Total Market IndexETFガチホしつつ、2階以上の部分でセクターETFやおやんちゃETFで短~中期投資する――みたいな感じだよね。


ところでインデックス投資による長期投資における期待リターンは「20~30年ぐらいかけて、運用資産を1.5~2.0倍にする」ぐらいのマターリ進行なので、なんやかんや言うても必要な種銭が多いのは事実

から1020代ぐらいの時期は、貯蓄やインデックス投資は少額にとどめつつ、人的資本投資して稼げるようになった方がよいと、おっちゃんは思うよ。

人的資本への投資時間を集中させるためにも株式投資するならほったらかし投資可能オルカンないしS&P500でのインデックス投資にとどめておくのが無難やね。

 
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