食料品がどんどん値上がりしていっているが、日用雑貨では何でこれが今値下がりするのかよくわからないものがあったりする。自分の日常生活感から思うに、消費者が案外よく値段を確認しないで買い物をしているのにつけこんでお得に見せかけて実は損みたいな売り方をしていた商品が、また内容量を大幅減少させているのを明示せずにちょっぴり値下げしてお得感を出すいつもの戦法を取っただけか、別に内容量をへらしはしなかったが最近はインフレだから何となく買い控えをするかという消費者のいつもの適当なお買い物精神により買い控えられないように値下げしたのかもなあと思う。が、たぶん誰もそれらが値下げされてるのに気づかないだろう。と、適当な一消費者の私は思うのだった。
世の中の人のお買い物のしかたは本当にいい加減なんだなと思う。当店ではコロッケがちょっと安くなったときにびた一文値下げされていないチキンがとても売れた。
出勤して早々、五千円札と500万玉が残り僅かだとレジが警告を出しまくっていたが、お客様たちが続々とやってくるのでなかなか補充できなかった。ところが、お客様のほとんどがバーコード決済をご利用なので、案外釣り切れにはならなかった。五百円玉が残り15枚なんて、五年前だったらヒヤヒヤもんだったが、今ではめっちゃ余裕がある。
……と、思ったところで気づいたが、5月になったら私のコンビニアルバイトは五年目に突入する。当店でのバイト歴は四年目だ。最初に勤めた店はオーナー夫妻が色々な意味でヤバくて職場の人間関係が腐敗しまくっていたので、一年で辞めた。当店のオーナーもたいがいな人間性をお持ちだが、それでも金払いは良いし、従業員に人の道から外れるような無茶苦茶な我慢を強いたりはしないので、当店はまだ勤め易い方の店なんじゃないかなと思う。
遂に、今まで経験した職の中でコンビニのアルバイトが一番歴が長くなってしまった。私の大学時代はコンビニバイトなんか人材の使い捨てしまくりだったのに、今ではやりたい人があまりいないせいで、二十年前ではあり得んくらいに大事にされてしまっている。店舗にもよるのだろうけど。
私が働き始めた頃はピチピチの二十代前半だったAさんが、いまやアラサーになってしまった。一緒にシフトに入るようになった当初は自分が楽するために店は暇であるほどいいといって、夕方の来客数が減るようにとわざと一時間以上も早くに米飯とパンの廃棄をしていたくらいのワルだったAさんだが、ここ数年でワル仲間(深夜バイトの学生達)がみんな辞めてしまい、真面目な女子とおばさんとばかり組まされるようになったせいと、数々の不正をオーナー(の相談相手のコンサル)に見抜かれたせいで、だいぶ真面目になった。接客態度も昔はかなりいい加減だったのが、今では知識面では当店で一番頼りになる店員になった……ところで、コンビニバイトはコンビニバイトのままなのだが、こいつ一体今後の人生どうする気なんだろうという疑問は尽きないのだが、私はそれについて口を挟むことはない。六年以上もコンビニの夜勤をしていて、アラサーになってもまだごく普通に子供を持てる将来を描いている(のにその前段階として誰か女の人と結婚しなければならないというのは考えにないらしい)のはかなり謎だ。
まあ、私的にはAさんと仕事するのは楽でいいんだけど、よい大人は「いいかげん真面目に働けっていうか、いくらコンビニの夜勤を真面目に頑張っても世間的にはそれは真面目に働いたうちには入らないんだぞ」と小言を言うものだと思うのだが、私はいい大人ではないのでそれは言わない。