2021-07-11

フォーマルな場のマスクの色は「黒」の理由について。

こんにちはマナー講師相模原和美です。

最近公共の場マスクをすることが常識となりました。一般常識社会の情勢に沿って変わっていくものです。新型コロナの猛威が衰えを見せない現状では、マスクにまつわる常識も変わってまいります

そこで皆さんに覚えておいて欲しいことは、冠・婚・葬・祭といった公共の正装が必要な場の、マスクマナーについて。

何色のマスクをつけるべきか、ご存知でしょうか? 「マスクは白色が当たり前。だから白」と無意識に考えていませんか?

残念ながら、それはバツです! 大間違いです! いわゆる礼装(れいそう)を求められる場でのマスクの色は「黒」です。特に男性と、女性であっても葬儀場合は、黒一択となります

からその理由について、ご説明します。

冒頭で「一般常識社会の情勢に沿って変わっていく」とお伝えしました。コロナ禍以前ならば、白いマスクしか世の中に流通していませんでしたから、公式な場であっても、風邪気味の時は白いマスクをつけるしかありませんでした。

いえ、それには語弊があります

皆さんの昔の記憶には、冠婚葬祭の場にマスクをしていた人はいないのではないでしょうか。

なぜなら、正装が求められる場では、たとえ多少咳が出ていても、「マスクをしないこと」が正解だったからです。

冠婚葬祭の場は、清浄であるべきなので、他人風邪感染させる可能性があるならば、出席を遠慮するのが「常識」でした。

欧米マスクをつけることを大勢の人々が拒絶し、嫌悪反応を見せたのも、人権意識の強い欧米では、(マスクをつけるような)病人は休むべきであって、外に出るべきではない、というのが常識だったからです。

ところが時代が変わりました。新型コロナ蔓延による影響で、今は健康な人が感染予防のために、マスクをするのが当たり前です。マスク病人証明ではなくなりました。

その結果、マスクあくまで、服装の一部となったのです。人々の嗜好に合わせて、様々な色や形のマスク市場に出回っています。白色以外の色を人々が自由に選べるようになったのです。

マスクが「病人証明から「誰でもするもの」「ファッションの一部」へと大きく意味を転換させた現代

冠婚葬祭の場やフォーマルな場では、マスクに別の意味を与えねばならなくなったのをお分かりでしょうか。

それは「病気ではないこと」「病気を持ち込まないこと」を逆に証明しなければならなくなったのです。

まり自分がつけているマスクは、「病人の呼気に含まれ病原菌感染させないため」に使用している本来的なマスクではありませんよ、私は病人ではないですよ、病原菌をこの神聖な場に持ち込むことはありませんよ、という意思表示をする必要がある、ということです。

病院や療養の場で、汚れを目立ちやすくして取り替えやすくするために白にしているマスクは、病人治療者の象徴でもあります

危険現場と切り離された安全な場でなければならない、フォーマルな場には、白いマスクを持ち込んではならなのです。

結婚式に友人として出席する女性ならば、カラフルドレスを着るでしょうからドレスに合わせれば良いのです。しか男性ならば、フォーマルな場では黒のスーツや黒の燕尾服で臨むのが当然。

となれば、その場での礼装としてのマスクは、スーツに合わせた黒一択となるのは、お分かりいただけたのではないでしょうか。

清浄で有るべき場に、ケガレ病気等)を連想させるものを持ち込まないこと。そう心がければ、当然の結論ではないでしょうか。

最近バイデン大統領が、よく、黒のマスクをつけていらっしゃいますよね。さすが世界一政治家マナーを心得ていらっしゃいます

みなさんも今のうちに、フォーマルな場に出るときのために、黒いマスクをご用意されていた方が、良いかもしれません。

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