今のACG(Anime,Comic,Game)系オタクコンテンツで最も重要な要素は「てえてえ」になりつつあります。
コンテンツが「面白い」「楽しい」「美しい」「かわいい」「格好良い」「エロい」等の要素も勿論大切ですが、
最重要視されるのは「てえてえ」です。
てえてえとは、主に人と人との関係性の尊さを指していて、
漫画やアニメの登場人物同士の関係性や、最近ではバーチャルユーチューバー同士の関係性によって表現されます。
登場人物同士が互いを想い合う様や、自己犠牲や献身の精神を持つ様が「てえてえ」であり、
その様子が現実的である程に、その「てえてえ」は高い評価を得る事になります。
「てえてえ」の作り方に粗が在る、各登場人物が「てえてえ」を強要されていると受け取った場合、
「てえてえ」を作り出す為にはどうすれば良いのか?
てえてえを作る為にはまず、その人間関係を見せつける「場」を形成する事が必要不可欠です。
犠牲や献身の心を持つためには、何か大きな障害が存在している必要があります。
その世界の中で登場人物達に「てえてえ」を実行させることが可能です。
ただそれらはあくまでアニメやゲームの製作陣が作り出した虚構の存在であり、
どれだけ現実味のある「てえてえ」を作ったとしても限度があります。
オタク達はどこまでも「てえてえ」を求め続ける。
だけれども、よりリアルな「てえてえ」は架空の作品では享受し得ない。。
その答えの内の一つが、
最近のバーチャルユーチューバーだと言えると私は思います。
彼ら彼女らは、youtube上やtwitter上で人気を得るために、日々必死に「てえてえ」を作り出しています。
そんな彼らは、見た目はアニメキャラクターだが中には人間が入っていて、
「有名になる」という目標の為に「炎上」「アンチ」「不人気」等の障害と日夜闘っています。
バーチャルユーチューバーというキャラクターを演じる以上、かれらの設定や言動には多々虚構を含む物の、
商売でバーチューバ-を続けている以上は紛れもない真実であり、
「大きな目標と障害」のリアリティは、そもそも事実なので完璧な強度を持ちます。
そのうえで、各バーチューバー同士で助け合ったり献身し合っている様を演出する事が出来れば、
「てえてえ」の完成度は計り知れない物になります。
正し、そのてえてえが偽装された物や、会社側に強制されている物の様に見えた場合、オタクは冷めてしまう為に人気が出なくなります。
つまりバーチャルユーチューバーはより強度の高いてえてえを作り続ける事が求められる存在なんです。
企業側もその辺解ってるからこそ、イメージ戦略を必死に頑張ってるんだなあと思います。
…もしも仮に、タレント側がギリギリ乗り越えられる程度の障害を作れるプロデューサー、
言い換えると、
"タレントがギリギリ耐えられる程度の炎上を意図して生み出せるプロデューサー"
が居たとしたら…
それは良い「てえてえ」を生み出してくれるんだろうなあ…