2019-09-10

「ひととき」の続き

個人融資オプション債権者オヤジ関係を持ってたバカ女の第二段階の話

最後の返済のときに私は先方の提案を受け入れることにした。特に指定の日を決めるではなく日数だけ月に五日と定め、時間は昼前からだいたい夕方まで。彼が望んだときと私の都合が合致したときに限り泊まりもあり。ただし泊まりときは昼前ではなく夜からで、その際は二日間にカウントされ、外泊手当を別途。金額は当初の提示通りで、日割りでその都度手渡し。

その契約が今月から発効となった。

当初彼は全額月初に振り込みを提案してきたのだが、それは私が断った。理由は二つ。

通帳にこの男の名前を残したくないこと(もちろん向こうの通帳に私の名前も)と、毎回手渡しで受け取らないと、自分がやってることから我に返ることができなくなりそうだったから。まるで仲睦まじいパートナー同士のようにではなく、ビジネスライク気持ちのままでホテルに入りたいと思ったから。本職の風俗勤務の女性不特定一見客と契約相手の違いはあるだろうが)のような割り切った気持ちでいたかたから私は毎回手渡しを望んだ。

先週末に元夫と会わざるを得ない用事があって、約束場所に私は息子を連れて行かず独りで行った。久々に会った元夫はひげなどたくわえて、いささか若作りが過ぎるようなTシャツ姿だった、今の仕事を尋ねると目を泳がせながら「まあ、いろいろ」と答えたあたり、きっと今も実家であの両親に甘やかされながら無職なのだろうと私は確信した。

本来なら自分が全額返すべき借金一方的に、半分(しかも親に出させて)私に押し付けて逃げた男。能力に見合わない自尊心と壮大な夢を語るわりに努力を嫌い、言い訳ばかりで社会人としての能力ゼロウソばかりの弱々しい男。そして私は世間知らずにもこんな男と夫婦だった。要するに私も私で愚かだったのだ。そして子供と生きるために一線を踏み越えてしまい、さらに深みに足を踏み入れ始めた。現在進行形で愚かなことをしている。

事務的用事を済ませ私は元夫と別れ、その足でホテルへ向かった。一年余り私の債権者であり現在クライアントである50男との契約を履行するため、初めての泊まりに。元夫にもしなかったことをして、させなかったことをさせ、聞かせたこともない声をあげ、夜更けまで何度も搾り取り、少し眠って朝方目覚めに最後の一回。シャワーを浴びて報酬を受け取ると、その男と朝食すら共にすることなく別れて帰宅すると疲れがどっと出て、軽く横になったつもりが夕方まで眠ってしまった。

毎月の蓄えを少しでも増やすために私がこんなことまで始めたことを知ったら、元夫は(そんな資格はないくせに)さぞかし顔をしかめるだろう。そしてそんな能力もないくせに支援を申し出るかもしれない。もっと養育費すら出してないんだから当然口だけだ。あの男はそういう恰好だけの男だ。息子に知られるのだけが怖い。まだ何もわかっていない歳だが、いつどのタイミングで知られるのかわからいから細心の注意が必要だ。

でもいいんだ。誰に軽蔑されても私は息子を大人になるまで育て上げてやる。

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