高木浩光@自宅の日記「リーチサイト規制の条文にも欠陥 ダウンロード違法化等著作権法改正法案原案」
スクショが違法になるということで国中で騒動になったダウンロード違法化拡大の陰に隠れてか、あまり議論されてこなかったリーチサイト規制だが、有名な人が取り上げたんでやっと議論されそうかな?
ただ上記の記事では取り上げられてない(っぽい)、世間でも全然指摘されてないように見えるが個人的にヤバイと思うのが
「国外で行われる送信可能化であつて国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきものが行われた著作物等を含む」*1
という一文である。
要は「海外ではそのコンテンツはフェアユースとかで合法的に配信されているけど、日本ではフェアユースないからそのコンテンツは日本では違法になる。だからリンクも違法」という話である(あってるよね?)。
同様の規定は実は既にダウンロード規制で導入されているのだが、ダウンロード違法化自体の実効性が疑問だったためか今まで特に大きく騒がれなかったように思う。
だが、この国外規定込みで規制されると例えば以下の行為が違法になりかねない。
思いついただけ挙げてみたが他にもあるだろう。
これらの(海外ではおそらく)合法的に配信されているコンテンツへのリンクがこの規定でアウトになってしまうだろう。
しかもリーチサイトとみなされたらダウンロード違法化と違い過失も罰せられるのである。おまけに非親告罪。
一般人だってリーチサイトとみなされたサイトで侵害コンテンツにリンクを貼ったりしたら罰せられるわけで。
これはかなりヤバイんじゃないか?ダウンロード違法化とは比較にならない影響力である。
仮に今は弊害が少なくとも後々のITの発展に禍根を残す可能性がある。
Googleなんかはフェアユースがあったのでサービスを発展できた。フェアユースが認められたGoogleブックスなんか日本で運営したらまぁ違法だろう。今後も各国にあるフェアユースのような規定で新しいサービスが生み出されるはずだ。
だがリーチサイトやダウンロード違法化に盛り込まれる予定の国外規定がこれらのサービスの利用を妨げてしまう。
海外では自由に合法的に著作物が利用されているのに日本の著作権が厳しいせいで利用できないなんてのは、もはやIT鎖国と言っていい。海外のコンテンツに触れる機会が奪われることになりかねない。日本のITの発展が妨げられるのはまず確実だろう。