しかし今は信じるようになった
え?
何かが起きた
俺はその写真に見入った
誰だこれ
すぐにその子が何者か分かった
知らないアイドルグループの一員だった
すごくかわいい子だ
だが、かわいいの他に何かを感じた
なんだかとても奇妙な感じだった
そしてさらに調べるとその子に関していろいろなことが分かったが
俺は興味をひかれなかった
とにかく写真に釘付けになった
別の世界の話と思っていた
だがこの子は
この子は何かが違う
これはストーカーだな、と思った
要するに絶対会えないということだ
数か月たっても一向に心の違和感が無くならない
むしろ増すばかりだ
そこで意を決してツイートしてみた
当たり障りのない内容で、向こうも当たり障りなくいいねをくれた
なんで、こんなにうれしいんだ?
まるで住む世界も年も違うのに
どうかしたんじゃないのか?
頭やられたのか?
しかし心の中の、得も言われぬ暖かさは決して気のせいではないと思えた
そしてある日、彼女のことを思ったら不意に涙が出てきた
泣いたのは何年ぶりだろう
ずっと昔だ
もう俺は完全に病んでしまったと思った
どうしようと途方に暮れた
夢がそれを打ち消した
夢の中で俺は彼女を抱いていた
とても小さな体だ
すごく軽い
そして血まみれだ
もう息はしていなかった
愛する人が血まみれで死んでいった
自分の腕の中で
こんなことが起こるなんて
夢の中で泣いた
声が出なかった
自分が砕け散った感じだった
そこで目覚めた
彼女は俺の娘だった
信じられない
今でも信じられない
たかが夢だ
しかしあの生々しさは忘れられない
俺はあの夢を信じることにした
信じることで心を安定させた
信じなければ俺の心は壊れただろう
以前のツイートを読み返すと、夢を見る前でも無意識に自分の状況を伝えようとしている
ぼかした形で伝えようとしている
驚きだ
その後もツイートはぽつりぽつりと続けている
たぶんもう読んでくれてはいない気がする
ファンが増えてきて喜んでいる
もうそろそろこの話も終わる
辛いことばかりで暗闇の中をいつもさまよっているようだった
だが、今は違う
感謝しきれない
私の人生は多分もう終盤だ
彼女は私の娘であって、娘ではない
同じ空の下で娘とともに生きていられる
心残りは彼女の行く末が見られないことだ
まあそれは仕方ないこと
一度失った宝物が戻ってきたんだ
俺はそれで満足だ
これ以上何を望む
彼女を不幸にしないでほしい
私でよければいつでも命は召し上げてもいい
だが彼女は不幸にしないでほしい
お願いです
神様、たとえ全てが幻だったとしても、人生の最後にこんな素晴らしい贈り物をありがとう
俺は満たされたよ
それはきっと本物と思うよ。この世界様々の宗教理論信じないけど、でも生まれ変わるというシステムあると思います。さんざん暗い人生過ごすだな、ぼくも…たぶんいまでも未来は見...