今回はガンガンオンライン
7話の感想。
私の中で好きなギャグ漫画の法則性があって、その一つが「モブキャラが活き活きしている」こと。
なので今回とてもツボだった。
主役はいたって通常運転なのに、周りが変なテンションになって独特な空気が出来ている(まあ、“シュール”っていう便利な表現があるけれども、個人的にこの言葉を使うハードルはもう少し高くするべきだと思う)。
というより今回の主役は事実上電車に居合わせた学生たちで、彼らはモブキャラだからね。
これまでの話でも、魔族たちよりも周りの感性が現代的かつ異常に呑気であることで成立するギャグ展開が多かったけれども、今回のエピソードはその極致かもしれない。
続けて8話の感想。
やたらとタイミングよく出てきて、しかも不自然に大声で喋るモブキャラ。
ロクサーヌの失態を責めるためだけに、唐突に登場して喋らせている感が何だかツボだ。
問題解決のアンサーにまるで関係のないものが混じっていて、ケレン味がある。
前回の百合音の発言は多分そういう意味合いではないだろうなあ、と思っていたら高衛がそれを指摘してきたのはちょっと驚いた。
この手の構成のテンプレはエピソード終盤まで真意をネタバラシしないことなので、ここで作中で指摘が入るってことはもっと別の意味があるのだろうかと勘繰った。
結果としてメタ的に物語を読み解こうとした私が勝手に自滅する展開だったわけだけれども、これは逆に上手い引っ掛けじゃなかろうか。
それにしても、こういうときにKY野郎の言動が功を奏するっていうのはいいね。
でも、よくよく考えてみれば今回の問題の発端は高衛の発言なわけだから、自分の尻拭いしただけでグッジョブってわけでもないか。
あと、今回の見所はやはり最後らへんの市川の“あのセリフ”を言うシーンかなあ。
見開きかつ1ページ丸まる使っているのもそうだけど、構図が百合音視点なのもポイントだよね。
あの構図であることで、百合音の戸惑いを追体験させて読者までドキリとするように描かれている。
ツッコミ不在なので、余計に際立つ。
内容としてはいわゆる俺TUEEEE系作品を皮肉ったものなんだけれども、出てくる要素がちゃんとツボを抑えている。
この作者の、こういった読者が持っていそうなイメージを絶妙に寄せてくる具合は流石というか何というか。
少し前に公開された、『魔法陣グルグル』新アニメのビジュアル。
そうきたか、って感じ。
これ、原作のグルグルが特にノっていた時期の画風に近いんだよね。
今どきのアニメに合わせたデザインにするのではなく、原作の、しかも懐古的な方向でのビジュアルにしてきたのは意外だった。
でも考えてみれば、これまでのグルグルのアニメは、ビジュアルが原作にそこまで寄ったものではなかったので、今回は原作に寄せたってのは逆に目新しいかもしれないと思った。