2016-12-09

[]イジメてた

Masuda Advent calendar 2016の九日目の記事です。

キッカケは兄の部屋で見つけたエッチおもちゃだった。

男性器を型どったティルドや、鼻に引っ掛けて顔を歪ませるフックや、浣腸器や、布面積が少ない下着など、多種多様な性具が兄の部屋にはあった。

その当時、友人たちとの間でも、彼氏とやっただの、ネット掲示板大人と知り合っただのと、性に直結する話題が増えてきたこともあって、とても興味を惹かれた。

から、つい、それを試して見たくなってしまった。

その頃、四人組で行動している中の一人に、どちからというと駄々草で、どちらかというと鈍臭くて、どちらかというと勉強ができない、四人の中で一番冴えない、と私が思っていた子がいた。

今にして思うと、何かを比較すればそりゃあ上と下ができるけど、それが不快に感じたり、生活する上で不便になるほど、彼女ダメ人間ではなかった。

けれどその頃は、自分よりも劣っていることが、彼女に対して無茶をしても良い理由になると思ってしまった。

しろ、こうして弄ってあげることで、彼女楽しいんじゃないか? ぐらいの、傲慢さがあった。

ことの全容を書くと、ただのポルノ小説や、ネットによくある体験談ポルノになってしまうため書かないが、それはまあイジメた。

いや、イジメという言葉は緩すぎる、単純に暴行だった。

最初のうちは、性の知識豊富な私がちょっと特殊な遊びを披露する、という趣だったのだが、だんだんエスカレートしていった。

特にわかりやすく変わったのが、四人組の残りの二人が傍観者でなく参加し始めたときだ。

うその頃には、一目置かれる私、というポジショントークの趣は完全になくなり、彼女にをイジメるのが主になっていた。

当初の性というテーマすら失われ、どんどんと暴行じみた行為彼女に加えてしまった。

もう本当に洒落にならないイジメ学校にバレるとかじゃなく、警察が出てくるとか、彼女刃物か何かを持ち出して私たちが殺されるか。

もはや傍観者の私がそんな発想に至るまで、暴行エスカレートしていった。

辞めさせるのは、困難だった。

発端が私だけに、もう二人を納得させるのは難しく、何よりそれはもう、私を代わりにしてください、という宣告になると思った。

かと言って、イジメている本人と普通に対話をすることも、また難しかった。

散々手のひらを返し、散々彼女の体に危害を加え、散々弄んだのだから、ごめんなさいと言ってしまったら、状況が何もかも変わってしまう。

とどのつまり、もはや内の加害者側の私からは、手の出しようがなかった。

と、当時は思っていた。

今にして思えば、うだうだ言わずにさっさと二人を連れて警察にでも行けばよかったんだ。

にもかかわらず、自分の身可愛さに、くたくたと理屈をつけて、彼女を殴り、笑っていた。

結局、私が危惧していた、警察沙汰にはならず、高校卒業した。

四人とも別々の進路だった上、私はこのことの気まずさから同窓会にも参加していないため、今彼女たちがどうしているかは、何も知らない。

ただ、卒業してから、初めてのお盆休みに、彼女メールをした。

「盆休み、暇? 遊ばん?」と、送った。

この時、何を思ったのか、自分でも定かじゃない。

会って謝りたかったのか、彼女が今困っているかどうかが知りたかったのか、彼女が困っていたら助けたかったのか、

彼女にまた暴行をくわえたかったのか。

どんな気持ちで、このときの私がいたのか、未だに心の整理がついていない。

けれど、結局、会わなかった。

彼女の「はい、わかりました。買ってもらったオムツの残りはあと二枚です。新しいのを買って持って行った方が良いですか?」という言葉の重みに耐えられなかったからだ。

今も、私は何の責任も取らず、ただこうして彼女のことを思うだけで、彼女でも国家権力でもない何かに贖罪の責を果たしたかのような、傲慢な考えのままでいる。

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