2016-11-18

自担と同じ大学に通ってたって話。

今のジャニーズはどんどん高学歴化が進んできていると思う。デビュー組でもジュニアでも、有名な大学を出ていたり、大学院に通っていたりする人もいる。

私の担当だった人も、当時大学に通っていた。私は大学入学した当初、自分大学ジャニーズがいるなんて知らなかったし、ましてや彼の存在さえ知らなかった。

しかしひょんなことから、私は彼を知り、彼のファンになった。ステージの上で、キラキラした笑顔で踊る彼をとっても好きになった。

好きになってから彼のことをネットなどで調べているうちに、彼が大学に通っているということを知った。もっと調べていくうちに、彼が私と同じ大学に通っているかもしれないということが分かった。だけど所詮ネットの噂。いくらなんでもそんなことあるわけない、なんて思っていた。大学に通っていることは本人も公言していたからそれは事実として、私はそれ以上のこと、どこの大学で何学部なのかなどは特に詮索しなかった。

それから3か月たったある日のことだった。

今でも覚えている。

金曜日の、3限終わりだったと思う。

3号館だか4号館だかの階段

4限の教室へ移動するために、友達と話しながら階段を上っていたときだった。

階段下りてくる人に見覚えがあった。でも別にサークルの人でも同じ学科の人でもない。

その人の顔を見たとき漫画みたいに、本当に鼓動が大きくドクンと鳴ったような気がした。

自担だ。


階段から下りてきた自担は、当たり前だけどステージ衣装ではなく、普通大学生の格好をしていた。

普通大学生の格好をし、普通大学生友達普通に会話をしていた。

3か月前わたし所詮ネットの噂だと信じなかった情報真実だったと、私はその時自分の目で確かめて知った。


その衝撃の出会い以降も、何度かキャンパス内で見かけることがあった。学年も違うし学部もどうやら違うらしかったので、授業がかぶることはなかった。

キャンパス内で自担を見かけるときは、本当に奇跡みたいな偶然が多かった。昼休みにご飯を食べるためにたまたま入った空き教室に彼もお昼を食べにやって来たり、試験前日に友達に「試験問題の回答を一緒に作ろう」と呼びだされ食堂に行ったら近くのテーブル自担友達と一緒に勉強をしていたりしたこともあった。

でも何度見かけても、私は話しかけることは絶対にしなかった。というかできなかった。

友達に「話しかけなよ!『ファンです!』って言われたら向こうも嬉しいと思うよ!」と何度も言われたが、私はできなかった。

大学内で見かけた自担はどこからどうみても正真正銘「普通大学生」だった。ある意味ジャニーズオーラ」というものは全くなかった。

大学に通っている自担は、仕事の一環でも何でもなく、完全に彼のプライベートだ。そこに踏み込んで、「ファンです!」と言うのは違うと思ったし、彼にとっても迷惑だろうと思った。

自担と私が同じ大学に通っていると知ってからも、私は自担を見にコンサート舞台などに行っていた。

だけどいつからか、ステージに立つ自担を見て違和感をもっている自分に気が付いた。

はいから自分が、ステージに立ってキラキラ笑顔で踊っている自担を「○○大に通っている大学生」というフィルターを通して見ていることに気が付いた。

ステージに立っている自担と、大学に通い真面目に勉学に励んでいる自担ギャップというものリアルに感じてしまい、感じすぎてしまい、とても戸惑った。

そして私はいからか、アイドル自担が好きなのか、大学生自担が好きなのか、分からなくなってしまっていた。それはとても怖いことだった。

そしてもっと怖かったのは、「私は自担と同じ大学に通っているんだ」という謎の優越感を持っていたこと。彼のプライベートのぞき見しているような罪悪感や戸惑いを感じているのと同時に、ある種の優越感を感じていた自分は、本当に馬鹿らしくて卑しくて嫌だった。

私はアイドルが好きだ。アイドルプライベートは、雑誌などで近況を知る程度で良かった。

からはいつのまにか、「自担と同じ大学に通っている」ということすら嫌になってきた。そして私は程なくして彼の「担当」を辞めた。

ステージキラキラしている自担が本当に大好きだったから、大学で見かける彼は別の存在として割り切って応援できれば良かった。でも私はそれができなかった。

彼が「担当」でなくなってからは、もうキャンパスで見かけても何とも思わなくなった。アイドルの彼を見に行くこともなくなったから、キャンパスで彼を見かけてもそのギャップすら感じなくなった。不純な担降り理由だとは思うけど、少なくとも私自身にとってはこれで良かった。

その後彼は卒業した。そして私も来年の春に卒業する。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん