一部はてななどでも「合意があったのか?」「不起訴ということは犯罪者じゃないので批判出来ないな」などというトンチンカンな発言を目にするので、当方素人ながら思うところを書いておきたい。
これには、被害者とされた女性との示談成立が考慮されたことは事実と思います。しかし、ご存じのとおり、強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。
示談成立が不起訴の決め手になっているのはその通りでしょう、しかし後段の悪質性という言葉は曲者です。そもそも強姦致傷罪は起訴率は50%程度でそこまで高くありませんので、
本件がほかの強姦致傷罪よりも著しく悪質性が低かったとは言えませんが、そのような誤読を誘う文章です。
一般論として、当初は、合意のもとに性行為が始まっても、強姦になる場合があります。すなわち、途中で、女性の方が拒否した場合に、その後の態様によっては強姦罪になる場合もあります。
このような場合には、男性の方に、女性の拒否の意思が伝わったかどうかという問題があります。伝わっていなければ、故意がないので犯罪にはなりません。もっとも、このようなタイプではなく、当初から、脅迫や暴力を用いて女性が抵抗できない状態にして、無理矢理性行為を行うタイプの事件があり、これは明らかに強姦罪が成立します。違法性の顕著な悪質な強姦罪と言えます。
これは強姦というものに対する古典的な誤解に基づくただの一般論で、高畑レイパーの行為とは何の関係もない世間話です。
私どもは、高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません。
しかしながら、知り得た事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、少なくとも、逮捕時報道にあるような、電話で「部屋に歯ブラシを持ってきて」と呼びつけていきなり引きずり込んだ、などという事実はなかったと考えております。つまり、先ほど述べたような、違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります
事実関係が解明できていないのに知り得た事実関係とはなんでしょうか? 他の関係者の話を聞くことが出来なかったのですからつまりここで言う知り得た事実関係とはそのまま「高畑レイパーの一方的な主張」のことです。
後段でそのまま恰も事実であるかのような書きぶりになっていますが、すべて高畑レイパーの主張においてはそうだと言うだけの話です。
以上のことというのはなんでしょうか? 途中で全く関係のない一般論の話と高畑レイパーの思い込みの話が入るのでわかりにくいのですが、「示談が成立したから」ですよね不起訴になったのは。
と言う訳でまあ実際の高畑レイパーの犯行がどのようなものだったかは全く分かりませんが、本件と無関係な一般論や知り得た事実関係などという言葉を持ち出して恰も高畑レイパーと被害女性の間に合意があったかのように印象付けたいコメントであるとしか言いようがありません。
カメラに映る場所に出てくる弁護士に女性を選んだ理由もその服装もすべて高畑レイパーへの批判をトーンダウンさせるための印象操作でしょうね。
「おなじ女性が弁護しているんだから合意はあったのかもな?」と思わせる作戦。
はてぶなどを見ていると「不起訴になったのだから有罪とは言えない、高畑を批判するのは私刑だ」のような反応が見えますが、示談したということは強姦を認めたということです。
だから私は容疑者ではなくなってしまった高畑裕太を高畑レイパーと仕方なく呼んでいます。レイパーを批判するなとは一体何事でしょうか?
また、「女性はこれに不服があるのなら反論すべき」という意見も見受けられますが、まずこの詭弁声明の中に弁護士から見た限り恐らく嘘はありません。無関係な一般論や加害者側の一方的な意見はありますがね。
そしてこの手の場合示談の際の条件として「事件についての一切の発言を行わない」というものが盛り込まれていますから、女性はいかに不服でも何も言えません。
一般に日本では犯罪者=批判しても良い/非犯罪者=批判出来ない、という不思議な感覚があるようですが。
「法と道徳の分離」が全く行き届いていない弊害ですね。