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2020-05-11

エロゲがなぜ衰退したかゼロ年代エロゲーマーだった俺が説明する

簡単に言うと、「世代交代に失敗した」。

エロゲ業界は衰退したというより、「ブーム」は起きたけど、「文化ビジネス)」には出来なかった。

ここでいう「ブーム」とはまぐれ当たりが出て業界に人が流入してくること。「文化ビジネス)」とは収益構造確立し、作り手や客が世代交代して持続していくこと。

蛭田エルフ)とか剣乃(シーズウェア)とかTADAアリスソフト)とかの活躍によって市場認知度を獲得した90年代後半の業界エロつきならある程度の売上が見込める状況だった。そこに髙橋(Leaf)とかだーまえKey)とかぶっさん(ニトロプラス)とかきのこTYPE-MOON)といったワナビーだった過去を持つ連中がそれぞれ得意とする世界観エロを足したゲームを世に送り出してブームが発生した。それによって新規メーカーユーザーが大量に流入したが、後が続かず一過性で終わった。

エロゲ衰退論の多くは何故ユーザーが離れたかという観点で論じるが俺は逆だと思ってる。ヒット作(ブーム)が新規ユーザーと次代の作り手を呼び込む(つまり世代交代)のであり、ブームが発生している間に次のヒット作が生まれる土壌を作っておく必要があった。蛭田らに髙橋らが続いたように。しかしそうはならなかった。

その要因のひとつに、若いクリエイターがよりローコストで、より好き勝手作品を発表できて、あわよくば儲かる場が他に出来てしまった、という点が挙げられるだろう。

それが2ちゃん(99年~。電車男まおゆう)であり、ニコニコ動画(06年~。アイマスP、ボカロ小説)、小説家になろう(04年~。さすおに他)だ。若いクリエイター作品発表の場をそれらに移した結果、サブカル最前線(今現在ブームになっている業界)がエロゲから他に移り、新規ユーザーも次代の作り手も流入しなくなってしまった(それに唯一抗ったのがニトロプラスだと思う。ネット作品を発表していた鋼屋ジン奈良原一鉄、下倉バイオを発掘して世に送り出している)。

企画シナリオの話ばかりをしてしまったが、原画音楽担当も同様だ。90年代後半から00年代前半はエロゲンガーがコミケの壁をはっていたが、pixiv(07年~)やTwitter(06年~)の登場でエロゲンガーは若いクリエイターの憧れではなくなり、サウンドクリエイターエロゲ同人音楽から東方アレンジボカロ曲をYoutubeニコ動で発表する形に活動場所を移していった。

これらの状況分析からエロゲの衰退を、安易スマホSNSフリーミアムの登場に結びつける論調には同意できない。

任天堂は未だに据え置き機兼ゲームメーカーだし、集英社週刊少年ジャンプを発行し続けている。それでいて『あつ森』や『鬼滅の刃』のような最新のヒット作を生むことが出来ている。それは次代を担うクリエイターを発掘・育成し、そのヒットによって新規ユーザーを呼び込むという世代交代ができているからだ。

任天堂集英社のような巨大メーカーと泡沫のエロゲ業界を比べるなよ、という意見はあるだろうが、ゲーム業界だって漫画業界だって最初は泡沫にすぎなかったし、スマホSNSフリーミアムの登場といった時代の荒波にさらされてもいる。しかビジネスモデルを作り上げて作り手と客が世代交代して業界が持続するようにしたから今があるのだ。ちょっと儲かったからって社長ランボルギーニ痛車にしてるようじゃダメなのである

結論エロゲ業界は衰退したのではなく、ブーム文化ビジネス)に転換させられる商才あるビジネスマンがいなかった。だから世代交代できなかった。以上(よく武内社長として評価されているが、きのこが死んだら終わりの状況から脱せてない以上ダメだろう。同様に、蛭田も剣乃もだーまえも後進を育てられなかった。この論で評価できるのはでじたろうぐらい)。

ところで鏡が定期的にエロゲ衰退論を語って耳目を集めようとする(https://togetter.com/li/1505761)のなんなの? 仕事ないの?

 

追記

jou2 抜きゲーと泣きゲーで完全に別れてたと思う。Fateとかエロゲーとしてはマジでエロに対して真摯じゃないからね。「絶対命令である令呪」をえっちな事に使うシーン一切無いという。選択肢選ぶタイプゲームなのに

なんでや! セックスで魔力供給するシチュ最高にシコいやろ! あとセイバーキャスターにとらわれてエロい格好させられるやつとかアニメで強調されてたけど、あれ若い子をリョナに目覚めさせるの狙ってるよね絶対

ところで抜きに関してもちょっと面白い観点があって、オタクエロ同人(ここでは二次創作エロを指してる)で抜くようになったってのもエロゲから客が抜けていった理由として結構あると思うんだよな。

もちろん当時からエロ同人はあったけど、当時はSNSがなかったか情報のものリーチしにくかったんだよね。個人ニュースサイトとかからたどる時代だったわけで。それでもアンテナ張ってたやつは即売会ショップ仕入れてたんだろうけど、それはそれで大変だし、特に地方民には厳しい。

今はSNSが発達してるから自分の好みの同人作家や本を探すのも容易だし、市場形成されてるから昔に比べて数も質も飛躍的に向上してる(昔は落書きみたいなのも普通にあったんだよ!)。ゲームソシャゲやって、抜きはそのエロ同人って人それなりにいるんじゃなかろうか。このへん、オタク白書市場規模を年次比較すれば見えてくるものがあるかもしれん。ないかもしれん。

まあエロゲは早い段階で回想をボタンひとつでフル解放できるようにしとくべきだったな(SAGAOに探しに行くのダルい並感)。

 
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