2020-06-29

日本若い人は科学者にならない方が良い

結局、自分よりもバカな人を騙して大金を稼ぎ美味しいものを食べる人生が一番だと思う。

未知の分野に挑んだり、清く正しく生きようなどと思わないほうが良い。

武田邦彦 (中部大学

日本若い人は科学者にならない方が良い

http://takedanet.com/archives/1013803981.html

 

STAP事件の推移を見るにつけ、私は日本若い人はもう科学者にならない方が良いと思うようになりました。科学研究というのはとても辛いもので、大学生活でもいわゆる文科系学生講義をさぼったりしている時に、土日でも大学実験をしなければなりません。

 

今回の小保方さんも、早稲田大学学生NHKニュースで次のように言っていました。

 

"日曜日研究室に行ったりするとほぼ必ず小保方さんの姿を見た"

 

「ほぼ必ず」というのですから、1か月に1回ぐらいは日曜日にいなかったという感じでしょう。実際にもそうです。そうして夢を追い、大学院に進み、アメリカ留学し、そして博士号をとる。その間、家族もかなりの応援をしなければ科学者にはなれません。

 

一方、サラリーマンになるなら大学をそこそこ勉強して卒業して、そのあとは給料をもらい、時には上司に誘われて飲みに行ったり、「行きたくない」と断ったりして入ればそこそこの生活ができます

 

しかし、科学者博士号をとって研究機関に入っても2年ぐらいは無給だったり、ポスドクという不安定立場教授指導者の手下になって雑用をこなさなければなりません。その間を縫って実験をし、夜の夜中に論文を書いていきます学会も出なければなりませんが、旅費も思うようにはでないのです。

 

若い頃の論文欠点だらけなので、普通査読を通過するには至らず、書いてはダメ、書いてはダメという日々を過ごします。そしてやっと通った論文に少しでもミスがあると、叩きに叩かれ、論文を出すときにはまったく協力してくれなかった「専門家」という人たちが、論文がでたらすぐ欠点を追究してきます

 

さら論文が少しでも社会評価されたら、大変です。NHK記者が追まわし、女性なら女子トイレにまで追っかけてきます。本人が犯罪を犯したわけでもないのに、まるで犯罪人扱いになります

 

また、科学世界には多くの「掟」があり、それはどこにも書いてないので、一つの研究室にできるだけ長くいて、先生雑用をこなして少しずつ教えてもらうしかないのです。うっかり「著作権法とその判例」などを勉強して、「知的所有権を正しく守る論文」など書こうものなら「剽窃・盗用」と罵倒され、時によっては無給でも散々な目に遭うことがあります

 

そんな時には博士課程の恩師や、職場教授などはまったくあてになりません。事件が起こるとどこかに隠れてしまますが、それはもともと教授などは一人一人で身を守っていかなければならないので、逃げる習性がついてしまっているからです。

 

さら社会も許してくれません。社会の人の多くは「未知のもの」などと取り組んだこともなく、普通は「規則通りにやればよい」という社会ですし、何か問題が起きれば組織が守ってくれるから、たとえ善意でも科学者の苦悩は理解できないのです。

 

かに科学は人の魂を揺さぶり、やりがいのある仕事ですが、これほど日本社会が硬直化し、バッシング社会になり、論理が通らないので、すでに限界を超えていると思います。「研究のような感じで研究ではない」という普通ことならなんとかできますが、「新しい分野」を拓こうとすると、その経験がなく、自分仕事が暇で、他人批判するのが生きがいという人が大量にいますので、つぶされてしまうでしょう。

 

高校生大学生でこれから科学者になろうとしている人は、時代が悪いので、やめた方が良いと私は思います悲惨な目にあいますからNHKがSTAP事件番組取材で小保方さんを追まわし、負傷させ、しか番組宣伝までやっているのを見て、私は「日本科学若者を進ませてはいけない」と強く感じました。

 

実験をしたり、論文を書いたりした経験があるとわかるのですが、それも未知の分野のもの場合、その苦労、失敗、ミスは多いのです。親御さんの含め、今の時代は未知の科学に進ませることはお子さんの不幸になる可能性が高いと思います

 

まだ、ケアレスミスしかわかっていないのに、「稀代の詐欺師」などともいう人がいます。本当に若い人にとっては人生を失うかも知れず、進路としては危険ありすぎると思います

 

平成26年7月26日

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