町山智浩が、先日新聞で、娘のためにアメリカに住み続けたい旨のことを言っていた。
いわく、それは30歳過ぎて大学に行って職が見つかる国はアメリカだと。
町山の妻は30過ぎてアメリカの大学に進学して就職したのだという。
日本の少子化が危機的状況だと言われだしたのはいつからだったろうか。
例えば、企業に勤めている既婚女性で、何度も産休や育休を取れる企業はどのくらいあるのか。
復帰しても、時短勤務や閑職ではない仕事をさせてくれる企業はどれほどあるのか。
第一子出産後復帰して、第二子、第三子、同じように休めるだろうか。
休めない場合、辞めることになる。
もちろん、公立の学校に大学までいけば、それほどかからないということをいう人はいる。
しかし、公立の学校に行っても、結局塾には行く。もちろん、一切そのような所に行かずとも、
東大などに行く人はいるだろう。しかし、それはレアケースだろう。はっきり言って。
塾などに行かなければ、それなりの学校に進学するのは難しいというのが、今の日本の現状だろう。
従って、子供にそこそこの教育を与えようと思ったら、やはりそれなりの金額が要求される。
それを考えたら、仕事は辞められない。
それは正しいのだろう。
すぐ熱を出しやすい子供、アレルギーがあって、食事などに気を使わなければならない子供、
親は家庭で子供の面倒を見ていたいと思うだろう。
仕事は、辞めざるを得ないことの方が多いだろう。
しかし、一番下の子供が手がかからなくなるまで、何年かかるのか。
10年近く、保育所やらなんやらとの綱渡りを続けて仕事を続けることになる。
たとえ、保育所や学童保育が充実していても、精神的にも肉体的にもそれが可能な人はどのくらいいるのだろう。
第三子まで産んで、全ての子供に手がかからなくなった後、仕事をしたいと思っても、
以前勤めていたような企業にはたして勤めることができるだろうか、または前職ほどの収入は得られるだろうか。
きっちり働いてそれなりの収入を得ている人ほど、辞めたら二度と今と同じ収入は得られないことを知っている。
こう考える既婚女性は多いのではないだろうか。
一生懸命就職活動して、新卒で大企業などに入社した女性ほど、こう考えるだろう。
だって、うちの会社、新卒でしか採らないもん、中途採用もいるけど、ブランクのある人なんか採らないもん。
長期療養が必要な病気になることもある。または、身内に介護を必要とする人が出てくることもある。
例えば、自分が病気になって仕事を辞めたら、数年後無事回復した時に、それなりの収入を得られる仕事に就けるだろうか?
日ごろ健康に気をつかっていても、突然難病に襲われることだってあるのだ。
学生が、新卒で就職しないと一生不安定な収入で終わる不安を持つ世の中というのは、健全なのだろうか。
時給いくらで得る収入では、結婚したり子供をもったりなんか無理と思うのは道理だろう。
以前、民主党が政権を取る前、小渕優子が少子化担当大臣だった時に、
子育て支援として保育所の拡充を強く言っていたような記憶がある。(その前の人たちも言っていたんだろうけど記憶がない。)
ちょっと違うんじゃない?自民党ってわかってないなと思ったのは自分だけだろうか。今の民主党政権がよくわかってるとも思わないが。
もちろん反対ではないが、それも大事だろうけど、それよりも、子供を産めるような収入の確保なんじゃないの?
今もう収入がある人の方を向くだけではなくて、今収入の少ない人の方を向かなければ駄目なんじゃないの?
多少なりとも税金を払っている身としては、その税金はきちんと使われてほしい。
地域差はあるだろうが、多くの親が子供を大学まで出そうと思ったら、塾に行かせるのはなぜか。
また、私立学校に行かせたいと思うのはなぜか。
公立学校の教育がもっと充実していれば、現在のように教育に金がかかることは減少するのではないか。
もちろん、私立学校の教育方針に同意して私立に通わせたいというのはある。
公立学校だろうと私立学校だろうと、質の高い教育が受けられるというのが本来なのではないのだろうか。
公立学校にもっと税金を使って、もちろん頭も使ってほしいが、満足のいくものにしてほしいと思っているのだが。
今起きている多くのことの解消の一端になるように思うのは自分だけだろうか。
もちろん、会社を選ばなければ、いくらでもできるよと言う人はいる。
しかし、そのような企業も、例えば数年のブランクのある人間や、ずっとバイトだけで生活してきた中年を
時給いくら以外の職で雇うのだろうか?
または、生活できるような待遇や収入を得ることができるのだろうか。
起業すればいいという人もいる、フリーランスでやればいいという人も。
しかし、起業にしてもフリーランスにしても、誰にでもできるというものではないのだ。
ただ、もしブランクがあるなり、年くってるフリーターなりが入社してきた場合、
かれらをどう教育するのか、どんな扱いをするのかという問題が残る。
場合によっては20代が上司で40代が部下で、または40代の人間に新人研修をということになる。
採用された場合、年くってても新人なんだから、周囲に教えを乞う態度を持たなければならない。
年くってるだけで威張る人っているからね。
また、新人としての待遇、給料に甘んじる必要もあると思う。しかしバイト時代よりは人生設計が建て易いだろう。
その辺の意識改革を、国民レベルでやる必要はあるのかもしれない。
また、新卒一括採用のない国では若者の失業率が高いという問題が起きている。
経験者募集の職場ばかりで、新卒が職業に就けないということらしい。
町山智浩の妻は就職できたが、今のアメリカでは大学を出ても職に就けないらしい。
ヨーロッパの若者の失業率の高さを考えると、日本の若者はまだ恵まれているのだろうか?
女性が社会に出てくるから男性の取り分が減って給料が減るのだと、だから女性の雇用をなくせば、
男性一人で充分家族を養える収入につながるはずだ、だから少子化は減るはずだという話もある。
しかし、一定の割合でバカも優秀もいるのだから、企業としては、いい人材が欲しければ母集団の人数は多い方がいいだろう。
50人から選考するのと100人から選考するのでは、いい人材に当たる確率は後者の方だと思うんだがどうなんだろうか。
優秀な人材揃えて回していかないと、企業はつぶれるんじゃないか?
それに、パキスタンの少女が学校に行くことを訴えて銃撃されたことに憤慨するんなら、
女性が働くことにケチをつけてはいけないんじゃないか?話は飛びすぎているだろうか?
働くという行動そのものに、正規だろうと正規じゃなかろうと本当は違いなんかないのだが。
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日本もアメリカも働かないで済むのなんてほんの一握りだろ。 それにアメリカは大した学歴経歴も無い底辺職でも日本よりずっと楽だよ。 スーパー店員や飲食店のウエイトレスも、日本...
教育費はアメリカの方が遥かに高いだろ。