はてなキーワード: エアブレーキとは
この警告音ですが、警察ではエアブレーキで使われる圧縮空気の入ったエアタンクの圧力が下がったことによる警告音だと考えています。
エアブレーキは、フットブレーキを踏むことでエアタンクに溜めた圧縮空気が強い力でブレーキシューをドラムに押しつけます。
ブレーキを離すと使われた空気が外に捨てられるので、短時間に何度も踏み込むとエアタンクへの補充が間に合わずに圧力が低下します。
その結果ブレーキの効きが悪くなるため、車の警告音が鳴るようになっています。
「エアブレーキ車ではブレーキのバタ踏みは危険」というのは、大型車の運転手ならよく知っていることでしょう。https://news.yahoo.co.jp/articles/fe654d72cee5876384b62601933f19e7b4be10e5
それから昨日のようにバス停につくと、俺は日課を怠ったことを思い出し、後悔する素振りをした。
「あー、しまった」
前は自然と出てきた言葉だったので、意図的にやった今回はぎこちない。
役者を目指してやってるわけじゃないから、多少の白々しくなるのは許容しよう。
ふと、待合室に備え付けられた時計を覗く。
よし、ほぼ同じ時間、同じように行動できた。
その時、「プシュー」という音が近くで聴こえる。
大型の車はブレーキに空気圧を使っているらしく、それがあの独特の音を生み出しているらしい。
「えっ」
聴き慣れた音だったが、この時の俺は少し戸惑った。
来るのが予定よりも早かったからだ。
いや、前回が遅かったのだから、本来ならば予定通りというべきだろうけれど、今の俺からするとそっちの方が困る。
まだ家に戻ろうとするのを堪えつつ、自分の間抜けな姿を想像するという行動をやっていないのに。
求めていない時に限って、真面目に仕事しやがる。
心なしか、エアブレーキ音も俺をおちょくっているように聴こえる。
やり場のない怒りに思わず舌打ちをした。
それと同時に、これで状況が大きく変わってしまうんじゃないかと不安にもなった。
あまりに状況が違うと条件の特定も難しくなるが、ここは大人しくバスに乗るべきだ。
俺の不安は的中した。
前回はあれだけ授業中に当てられたのに、今回は明らかに頻度が減っていた。
というより全くと言っていいほど呼ばれない。
あえてボーっとしながら、教師の話をダルそうに聞いてもみても名指しされない。
「では、この問題を解き明かす栄誉を……」
彼の授業は選択科目なのだが人気がなく、第一希望や第二希望からあぶれた者たちが押し込められる。
そのため他よりも人が少なく、生徒達は不真面目って程じゃないが、この授業に対する意識は低くなりがちだ。
「今、この黒板に書かれていることは断片的だ。しかし私の話を50%以上インプットしているとしよう。そして、お前達の脳みそは最低でも50%以上は活動しているはず。ということは実質100%答えられる問題というわけだ」
建前上は俺たちへの牽制球らしいが、実際は彼の邪悪さからくるボークだろう。
観客がいればブーイングものだが、残念ながらこれは野球じゃない。
「進んで答えて欲しいものだが……それとも、この程度の問題に自信満々というのは、己のプライドが許さないのかな?」
仮に答えられるとしても、生徒たちは手をあげない。
もしイージーミスでもしてしまったら、説教+嫌味の2乗=ストレスで俺たちの免疫細胞は0になるからだ。
「ふーむ、そうだな。では僭越ながら、この私めが指名させていただくとしよう」
待ちに待っていない、運命の瞬間。
馬面教師の淀んだ瞳が、生徒達を一人ひとり値踏みし始めた。
パタ、パタ、パタ……
シマウマ先生の履いているスリッパが、静かな教室内に響き渡る。
そして、みんな目線を逸らす中、あの時のように俺と目が合った。
エアブレーキ「摩擦でなんか止められるわけねーだろ」