2024-02-01

インデックス投信を成立させる技術

株式インデックス指数)の構成銘柄を全部その通りに買うことなんてできないのに、なぜインデックス投信が成り立つの?」という疑問を受け取ったので少し解説する。

インデックス投信に求められるのは、「買った投資家をなるべく儲けさせること」ではなく、あくまで「インデックスと全く値動きを実現すること」であるインデックス投信が実際のインデックスの値動きからずれてしまうことを「トラッキングエラー」と呼ぶが、このエラーが小さい投信こそが優れたインデックス投信ということになる。

そしてインデックス投信が「インデックス構成銘柄を、その通りに全部丸ごと買う」のは、資金量や売買実務の問題で実現不能だ。構成銘柄数が少ないタイプインデックスならある程度可能ではあるが。

なのでインデックス投信は、「インデックス構成銘柄を全部買わなくても、インデックスと同じ値動きになるポートフォリオ」を実現するために、数学を駆使した様々な手段を用いている。

これは例えるなら、世論調査技術に近い。世論調査はたった2000人程度の調査結果で、国民全体の意見分布可視化しようとする技術だ。マスコミによる調査はよく「サンプル数が少なすぎる」「固定電話向けにやるのは実態を表さない」などと素人に叩かれがちだが、実際には選挙結果などが世論調査の結果と大きく乖離することはない。少ないサンプル数が国民全体をなるべく代表するように、サンプル抽出や回答結果の補正技術関係者は磨いてきたからだ。(ちなみにそういう技術を磨いていない、その辺の企業ネットで行った調査などは、全く調査したい集団代表していないことが多い)。

もう少し具体的に、単純化してイメージしてみよう。

例えば、ある指数構成銘柄が3000あるとする。3000銘柄指数の組み入れ比率通りに買ってそれを維持するのは、1つの投信には不可能に近い。

しかし、その3000銘柄の中に実は、「ほぼ似たような動きをする銘柄」が100あり、しかもそんな100銘柄によるグループが30グループある構図だったらどうだろう。

この3000銘柄からなる指数に連動するためには、この30グループからそれぞれ1銘柄ずつ、計30銘柄を持てば十分となる。この手法を「層化抽出法」と言ったりする。

実際にはこんなに単純ではないが、各銘柄の値動きの性質分析することで、「3000銘柄のうち数百銘柄だけ買っておけば、ほぼ指数全体と同じ値動きになる組み合わせ」というのは見つかるものなのだ。この組み合わせ方法と、その組み合わせが日々の資金流出入などで歪んでしまった時の修正方法こそが、運用会社それぞれの「秘伝のノウハウ」ということになる。

ちなみに、

ファンド作ってる側は、目標運用成績を出すためにそれ以外のものを入れざるを得なくなる。

この疑問についてだが、おそらく資産内容の中に一部、先物などのデリバティブ商品が入っているのを見て抱いた疑問ではないかと思う。インデックス投信は「投資家から預かった資金100%インデックス運用に回す」必要があり、一瞬たりとも資金を余らせてはいけないのだが、実際には個別銘柄だけでそれを実現するのは難しい。個別銘柄にはそれぞれ最低投資金額があり、1円単位で売買できるものではないので、その組み合わせにはどうしても「端数」が出てしまうからだ。

なので一時的に余ってしまった部分を埋めるために、指数と同じ値動きをする指数先物活用することがあるのだ。

なので、元増田心配するような「わけわからないもの」が混ざっていることは考えにくい。株価指数と同じ動きをさせることに、サブプライムローンのような株とは値動きの違う商品はなんら貢献しないからだ。

anond:20240201142951

記事への反応 -
  • 最近、日経平均の算出方法を調べて思ったこと。 日経平均は、日本の有力株式市場(昔は東証一部って言ってた、今はプライムだっけ)のさらに有力株200ちょっとを選んで平均を取ってい...

    • 「株式インデックス(指数)の構成銘柄を全部その通りに買うことなんてできないのに、なぜインデックス投信が成り立つの?」という疑問を受け取ったので少し解説する。 インデック...

      • ( ^ω^ ) https://www.nicovideo.jp/watch/sm7560329

      • 225インデックスファンドの運用のお手伝いをしていたことがあるけど、ここに書いてあることはだいたい合ってるな。ただ、細かく言うなら、 ・数学的な秘伝的なものは225インデック...

        • うおー玄人っぽい投稿。 毎日一回価格を決める投資信託だと購入注文が多い時は実勢レートより高いレート、解約注文が多い時は実勢レートより安いレートで価格を決めることでカバー...

        • 親会社の株が買えないってのも面白いな

          • インデックスファンドなら許されそうだけどな。 アクティブファンドで親会社の株を買っていたら買い支えと受け取られ兼ねないのは分かる。たとえ225ベンチマークのようなものでも。

            • 絶対だめというわけではないので、インデックスファンドなら許されるというか実際に完全型のインデックスファンドだったら親会社の株も買っていますね。

      • いやいやいやいや!嘘つくなって! 「3000銘柄のうち数百銘柄だけ買っておけば、ほぼ指数全体と同じ値動きになる組み合わせ」 インデックスファンドはそんな雑なことはしてません...

        • 債券とかだと価格の連動性がどれも高いからそこそこ銘柄数絞れるんだなあ

      • おっちゃんはインデックスで買うようなど素人やから、構成銘柄が3000もある指標なんてよう買わへん

      • そうそう、TOPIX完全法なんてGPIFの顧問口でやっとほぼほぼ達成できているくらいであって、他の顧問口やファンドの形のものはメジャーどころ以下全部がサンプルで近似しているんだよ...

      • 特定の企業がやらかして暴落した時に、結構ズレが出ないか?

    • 絶対に儲かる投資商品とかあるならこっちから聴きたいくらいだわ (ハナホジ)

      • どこにも儲かる儲からないの話が出ていないのに、長文だと日本語でも読めないの?

    • そんな保証いる? 結果がすべてだし、その結果も絶対に下がらないことを約束してるわけでもなし なにをいくら買ったとかいちいち気にする人間にはインデックスファンドは不要じゃな...

    • お前何言ってんの?

    • 連動するようにポートフォリオと配分組んでるってだけやで。あとファイナンス理論では無視されてる信託手数料もかかる(かなり安いが)、理論とはちょっと違うで

    • こんな感じでしょ。 https://nikkei225jp.com/nikkei/

    • みんなが儲かるって言ってるもんは儲からないよ

    • そういうインデックスファンドのアノマリーについては色んな本に書いてあるよ。先日亡くなった山崎元氏も新規採用された銘柄ってのはちょっと上がるってちゃんと書いてる。 https://me...

    • 連動を目指すとは謳ってるけど完全に連動しているとは言ってない

    • そんな増田でもETFなら信用できるかも。 株のバスケットとETFを交換できる兌換紙幣みたいなもん。 詳しくは検索してくれ。

      • ETFのFはファンドという意味で、この増田が言っているのはETFについても含んだ内容だぞ?インデックスファンドの中にETFのものもあればETFでないものもあるが、増田の気にしている点は...

    • 株をすすめることを増田では多く書かれているのに、なんらまともなトラバがないという

    • ( ^ω^ ) トウマー https://www.nicovideo.jp/watch/sm10295629

    • 運用報告書でベンチマーク(インデックス)との差異は報告されてんだから 気に入らねーなら買うなよ

    • 日経225は採用する225銘柄の株価×株価換算係数の合計を除数で割って計算される。 株価換算係数は銘柄毎に決まっている。 つまり、この換算係数と同じ比率になるように225銘柄を買って...

    • >この「それ以外のもの」に、かつてのリーマンショックの時に話題になったサブプライムローンみたいな「わけわからないもの」が混じってない、って保証、誰かしてるの? 投資信...

    • インデックスファンドのファンドマネージャーは、日経CNBCに呼ばれたりはしません | 投資信託クリニック https://toshin-clinic.com/blog/20210713-10773/ コレがわかりやすいぞ

    • ちゃんと、説明書に書いてあるよ。トラッキングエラーとか乖離率でググって。

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