2024-01-01

プロ棋士女流棋士の違いについて(将棋編)

先に言っておくと、雑に書けば殴られる形で集合知が集まるという例のやつのつもりで書いてるのでみんな気軽にボコボコにしてくれ。

女流棋士話題になるとはてなではジェンダー論と安易に結びつきがちで変な論争が起こるため整理されたいと思い、増田見解を書く。

⚫︎女流棋士将棋強いのか

そりゃ一般人に比べたら強いに決まってる。

⚫︎女流棋士プロ棋士より強いのか

プロ棋士は強ければ男でも女でもなれるし門戸も平等に開かれている。ただ、その門戸を突破した女性がまだ一人もいないのが現状であり事実である

⚫︎なぜ男はプロ棋士になれるのに女はなれてないのか

とんでもない天才がひしめき合う世界なので、毎月数日コンディションが落ちるという生物的違いがとんでもない大きな差になるのかもしれない(対局日当日がその日に当たることももちろんあるだろう)。将棋とは関係ないところで男性相手鎬を削るということにプレッシャーを感じるような「女は男を立てなくてはならない」「女は男に勝てない」等の刷り込み社会生活のなかで学習しているということはあるかもしれない。後述するが女流棋士という枠の存在の影響もあるかもしれない。とは言え、プロ棋士になれるかなれないか奨励会勝敗がすべての世界であり、男の成績に下駄を履かせたりみたいな差別は一切存在しない結果がすべてである

⚫︎女流棋士とは何か

先に述べたとおり、プロ棋士になれた女性過去一人もいない。

そこで登場したのが女流棋士という枠だ。日本将棋連盟役割はなにも「将棋が強い奴を選り分ける」だけではない。「より多くの人に将棋を楽しんでもらえるよう普及活動に励む」も日本将棋連盟及び棋士生業とする人間の立派な役割だ。

そしてそうなってくると将棋界が男しかいないむさ苦しい世界だという事実は都合が悪い。別に門戸は開いているはずなのに、女性プロ棋士は一向に誕生しないのである

こうして生まれたのが女流棋士という枠だ。プロ棋士とは別枠で、プロ棋士にはなれないけどちゃん将棋理解してて将棋が好きで将棋が強い女性には将棋生業として生活できるように女性枠を設けますよ、という話だ。

これは、普及活動という点で男女差はなるだけ埋めたい女性にも将棋楽しいものだと思ってもらいたいというそのままの意味でのアファーマティブアクションだとも言えるし、まあ解説イベントの際に華を添える客寄せパンダ的なところがあるだろう点ももちろん否定しない。

プロ棋士になれるほど強くないやつでも、女なら女流棋士にしてあげるよ、それが女流棋士だ。

⚫︎将棋界における女流棋士とは何か

前項で書いた通り、女流棋士必要により作られた女枠という認識ではある。が、閉ざされた男だけの世界に急遽都合の良い女が駆り出されたわけではない。平等勝負世界女性が勝ち上がってこなかったので「これはまずい」と設けられた枠なのである

女流棋士という概念自体は経緯を踏まえてもまったく悪いものではないのだが勿論弊害はあると増田は考えている。

まず一番大きいのは、プロ棋士を目指すための奨励会員と女流棋士兼任できる点だ。つまり女流棋士リーグ戦を戦いながら、奨励会でも戦う。女流棋士になれば解説イベントなどの仕事も発生する。一方で奨励会で戦う男たちは「ここで勝てなかったらすべてが終わり」の人間たちだ。勝敗へのこだわりや思い入れに差が出るのは推して知るべしだ。

プロ棋士になるための奨励会での勝負への準備という点で言えば女流棋士兼任できるという二足の草鞋が大きなハンディキャップになることは想像に容易であるし、女流棋士という生き方を選べることそのものが「逃げ道」として機能してしまうこともアファーマティブアクションという理想が善く機能することはいかに難しいのかという話にも繋がっていくのだと思う。男が一般職を選ばないとか、チルドレンと呼ばれる女性政治家とか、色々な類似例が想起されるが、完全実力主義将棋世界ですらアファーマティブアクションによる功罪は発生するのである

ジェンダーを考えるための将棋などまったく馬鹿馬鹿しいが、全くすべてが勝負世界である将棋界がどうなっていくのかというのは、その点においても興味深く思っている。

ざっくばらんに書いたが、だいたい雰囲気で書いてるので有識者がより詳細に反論訂正指摘を施してくれることを望む。

  • この手の話になると、女は下手でも将棋で食えていいよなあ、という意見が出てくる。それはまあそう。日本野球とメジャーリーグみたいなもので、需要というかお金を出す人がいるか...

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