2022-12-26

アイマスが陥っている負のスパイラル

アイマスの新シリーズが公開された。

これについて、いちプロデューサー(注: アイマスファンのこと)視点から意見を書きたい。

元々がアイドルプロデュースゲームであった過去からプロデューサーファンであると同時に、メタ運営目線からコンテンツ応援するという姿勢をとりやすい。

そして、その視点はある種の義務感、あるいは使命感を芽生えさせる。できる限りコンテンツのことを把握し、運営気持ちに寄り添い、盛り上げていこうという気持ちだ。

これには良い面と悪い面がある。そして、この両面とバンダイナムコのすれ違いによって、アイマスは負のスパイラルに陥っていると考えている。

↓いわゆるアイマスPの良い面と悪い面(の一部)

良い面

提供されたコンテンツ従順に受け入れる

イベントには必ず全て行くのが多数派

・どんなライブでも必ず「アイマス最高!」が起きる

(注: ライブ終了後に客席から巻き起こるコールのこと。もともとは一部の厄介ファンが起こしていると見られていたが、公式がそれを取り入れる姿勢を見せたために一般化した)

ルールを守る新参者には優しくする人が多い

ライブ配信でのファン演者交流コンテンツを育てていく

悪い面

コンテンツに満足できない=もはやプロデューサーを続ける資格はないかのような空気がある

ライブ全通に非常に大きな価値があり、これを逃すとモチベーションを失いやす

(注: 全てのライブに参加していること。抽選倍率が高い場合もあり、人脈と財力が大切になる)

・「もっとこうしてほしい」という意見は個々人の中で飲み込むべきで、ネガティブな発信は禁忌とされている

ゲームではストーリーの進行がほぼないので、ライブに通っていないとついていけない

さて、それではなにが負のスパイラルなのか。

それはバンダイナムコの好む「みんマス」展開と、新シリーズ・新アイドルによる拡大路線の相性の悪さにある。

(注: 複数シリーズの垣根を越えてコラボさせることを、「みんなまとめてアイドルマスター」というある曲の歌詞をもじってみんマスと揶揄する)

プロデューサーは全通、つまりコンテンツ最初から最後まで、できるだけすべてを把握し、参加することを非常に重視している。これは裏を返すと、途中参加Pの肩身の狭さを生み出す。

例えば、初代アイマスではアーケードからのPが最上位、アニメから新参(もう10年以上も前なのに!)という空気がある。

そこで、バンダイナムコは新シリーズを追加してきた。古くはデレミリ、直近はシャイニー

そうすると、「新シリーズは1stライブから行ってるからね!」と言えるプロデューサーが生成され、末長支援してくれるのだ。

一方で、近年のバンダイナムコは、複数コンテンツ越境コラボや合同ライブを好む傾向にある。

単独ライブよりも大きな会場を使えるし、各シリーズから「全通」の義務を持ったプロデューサーが動員されるからだ。

合同ライブはもちろん、満場一致の「最高」のコールで迎えられるのだ。

ところが、シリーズが増えてアイドルも増えてくると、そのライブに行っても自分担当アイドル(注: 要するに好きなキャラクターのこと)は一曲や二曲しか歌ってくれないのだ。

もっと悪いと、自分担当アイドルは何年も参加しないこともありえる。

例えば、来年2月の合同ライブは各シリーズから歌唱ユニット単位で参加することになっているが、全ユニットのうち、参加するのはほんの一部。そして参加するユニットメンバーが全員揃うわけではない(なんで?)

こうして、義務感で参加したライブで得られるリターンは年々減っていく。

アイマスという箱は拡大し、個々のコンテンツ希釈されていく。減った動員を補充するため、また新しいシリーズアイドルを作り、越境コラボを行う。そして個々のコンテンツさら希釈されていく。

プロデューサーがそうした不満を発信することはほとんどない。希釈度に耐えられなくなった時、静かにライブ抽選への応募をやめる。

そして一度辞めると、もうアイマス戦線に戻ってくることはできないのだ。

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