ここ最近、各種世論調査では憲法改正に賛成の意見が増え、多数派になっている。
この理由として、タカ派ネトウヨ思想の安倍政権の下での改憲に警戒していた国民も、ハト派で平和主義者の岸田政権の下でなら改憲してもいいんじゃない?と感じているからだろう。
私も、憲法改正に賛成だ。憲法9条を改正し、自衛隊を明記するべきだ。そして敵基地攻撃能力を持ち、その抑止力によって安心・安全な日本にしてほしい。こういう事を書くと「朝鮮は既に移動式発射台や潜水艦搭載弾道弾を持っているので敵基地攻撃能力は無意味だ」という人もいるだろう。しかし、場合によっては国家主席の居場所を攻撃できる、というのが抑止力になる面はあるのである。
また、9条を改正して国防のための実力を持つ事を宣言することは、対米従属からの離脱への道を切り開く面もあるのだ。
さて、改憲に賛成というと、凝り固まったオールド左翼の人たちは自民党が野党時代に作った改憲草案を示して「改憲されると日本はこんなに恐ろしい国になる」などと的外れな事を言い出す。しかしちょっと待ってほしい。自民党の改憲草案は確かに最低最悪だが、自民党が今進めているのはあの改憲草案ではなく「改憲4項目」である。いまの時点で古い改憲草案を持ち出して騒いでいる人たちには白けてしまう。
その意味では旧改憲草案の復活を目論む極右の高市早苗ではなく、平和主義者の岸田が新総裁になったのは本当に良かったと思う。
では「改憲4項目」なら問題無いのかと言えば、もちろんそうではない。改憲4項目とは「9条への自衛隊明記」「緊急事態条項」「参院選合区の解消」「教育の充実」からなるが、極めて危険なのが「緊急事態条項」である。こんなものは不要だ。「参院選合区の解消」「教育の充実」は別に憲法を改正しなくても関係する法律を改正すれば可能なのだから、これらはデコイとして持ち出されたものだろう。
しかし9条改正と自衛隊明記については、安心・安全な日本のために必要である。
先程の衆院選で自公与党に維新、国民民主を含めた改憲勢力が2/3を超えた。おそらく来年の参院選でも同じことが起こるような気がする。衆参両院で改憲勢力が2/3を超えると、改憲への動きは一気に進むだろう。数年のうちに国民投票は実施され、中国の覇権主義的圧力に対する脅威感から大半の国民が賛成票を投じるだろう。10年以内の日本の改憲はほぼ確実である。
そうなると、緊急事態条項の危険性をいかに封じるかが重要となる。緊急事態条項は他の先進国にも存在する。問題は自民党案は政府の独裁につながる危険性があることだ。この危険性を抑え、あくまで国会の承認を前提とする民主国家的な緊急事態条項に修正する点では、国民民主党に期待するしかない。