2021-06-23

マ●コ・デラックス日記


六月十六日(水)

コロナ禍で遠出をしていないせいか、何年も前の旅行きっかけもなく思い出す。たとえば友人と厳島旅行したとき土産物屋に「マ●コおすすめ」と書いてあったのだが、それを指さして友人が「一瞬ぎょっとしたわ」と口にした。自分は「西日本だとオ●コになるんじゃないか」と指摘したが、友人にはスルーされた。「九州だとボ●」だよな、と続けたら「お前いい加減にしろ」と𠮟られた。言い出しっぺは友人なのに納得できない。

なお、厳島の鹿は落とし物のパンフレットも食い散らかすほど貪欲である

六月十七日(木)

そういえば、同じ旅で広島原爆資料館を訪れたのだが、「これだけ戦略上有利な兵器を捨てるのって無理じゃないか?」といつになく深刻な雰囲気になった。するとタクシー運転手さんがそれを察したのか、ゲイバーを訪れた時の話をしてくれた。営業時間が終わると中から化粧を落とした屈強な男性が出てきたので、「昼は何をしているのか」と尋ねたところ、「肉体労働をしている」との返事だったそうだ。

適度な生活感がある話であり、多くの死を前にしたあとに何となく救われた思いがした。自分たちは今のところは生きているのである

六月十八日(金)

三大欲求生活感をもたらす際たるものなのだけれど、それが思いがけない人の口から出ると幾分ぎょっとする。学生時代から十年以上前になるか、京都哲学の道沿いにある枯れ山水のきれいな寺を訪れたとき、入場券売り場の男性言葉を交わした。そこでどんな文脈だったか忘れたが、彼が「六年生にもなると覚えちゃうでしょ、オナニーとか」と放言したのである

この日記を見ればわかるように、自分は卑俗卑猥ものは嫌いではないが、さすがにこの時は面食らってしまった。一応宗教施設であるのに、いったいどういう経緯でこういうタイプおっちゃんが寺の受付に選ばれたのか、まったくの謎である

六月十九日(土)

寺といえば、近頃は有給休暇を取ってひっそりと鎌倉を訪ねている。今年は生きてきて一番たくさんアジサイを眺めた年になりそうだ。鎌倉観光地化が著しいが、それでも土日は混雑緩和のために敷地を非公開にしたり、一眼レフカメラ禁止したり、庭園鑑賞の前にまずは本堂で参拝することを命じていたりと、それにあらがう流れもあるようである

この日は歩いていたら新しい喫茶店を見つけたので休憩。旅先ではしばしば牡蠣ソフトクリームだとか醤油ソフトクリームだとか普段食べないものを頼むし、前述の友人は旅先では一日に三杯から四杯のアイスを平らげていたが、今日はそういう気分ではない。

変わりものといえば、別の友人から下北沢納豆クレープを食わされた。味はまあまあ。少なくとも名古屋喫茶マウンテンよりはうまかった。

六月二十日(日)

食の話ついでに書く。この日に久し振りに高級な肉を食べたが、以前よりも脂肪タンパク質を口にしたときの喜びが減衰している。確かに良い肉であって摂取しても不快にならないタイプ脂肪なのだが、それよりも山盛りの野菜と豆が食いたいのだ。お前は当分肉を食うことはまかりならんと言われても、さほど傷つかないだろう。魚だってある。

野菜で思い出したが、最初非常事態宣言以来、ひいきにしていた店のランチサラダビュッフェがなくなってしまった。しかも、経営難ランチを二度も百円値上げした。しばらく足を運んでいない。

六月二十一日(月)

近頃は新しいランチ開拓するのが難しい。コロナ禍で店が閉まっているからだ。そんな中、新しく見つけた蕎麦屋天丼に乗ったエビの食感が良かったのだが、店員女性からおつりの小銭を受け取るときに指が妙な具合に絡まってしまい、ばつの悪い思いをした。もう一度行くことをためらう。

ところで、渋谷駅構内を歩いていたら、短パンブラトップ女性とすれ違った。先週はへそ出しファッション女性自分の目の前に座っていた。確かにこう暑くては脱がないとやってられないが、食道楽自分としては見せられる腹がうらやましい。

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