ニンジャスレイヤーというコンテンツがある。通称忍殺。ネットやってる奴なら名前くらいは聞いたことがあると思う。詳しく説明する気はないので気になったら検索するなりしてほしい。
以前の自分はかなり重篤なヘッズであったと思う。ヘッズというのはこの作品のファンの自称だ。物理書籍が出始める前後から何となくツイッターで読み始め、物理書籍で世界観を把握した後はずるずるとハマってい行った。仕事の時間帯の関係でツイッターでの実況には参加できなかったが、専用アプリやまとめに頼って読んだ。wikiも読んだ。
1部。ヘンテコな世界観に笑い、レイジアゲンストトーフで掴まれ、モブ市民の生き死ににハラハラし、ラオモトに勝ったときは震えた。
2部。1部とは違うディストピアが描かれる。格差社会。新キャラもそれぞれ魅力があり、引き込まれた。シャドウウィーヴが好きだった。
3部。また違うディストピア。今度は管理社会だ。ディストピアSFが好きなのでたまらなかった。ニチョームウォー、ロンゲストデイ、アガメムノンとの決着。市民やニンジャの行動がうねりとなってアマクダリを打ち倒す。たまらなかった。
アニメも漫画もそれぞれにクールだった。アニメについては色々言われているし納得できる意見もあるが嫌いではなかった。
そしてプラットフォームがnoteに移り、4部が始まった。新しいニンジャスレイヤー。滅茶苦茶になった世界で強かに生きる人や機械やニンジャやヤクザ。最初の頃は楽しかった。noteのマガジンにも勿論登録し、次々に更新される記事を貪るように読んだ。
だが途中から、今になって思うとフジキドが再登場した頃から、ノれない自分に気が付き始めていた。ニンジャスレイヤーでなくなったフジキドは、ニンジャの圧政に苦しめられながら自分を助けてくれた子供に報いることなく自分の国に帰ってしまう。あれ?という感じだった。
ストーリーがつまらなくなったわけではないと思う。変わったのはコンセプトだ。4部は一つの話が大河的に長くなっており、長い話の中では必然的にマスラダら主人公の物語が描かれる。一方、noteの短編で主役を張るのは過去に登場した(あるいは情報だけが既出の)人気キャラ。悪くはない。面白い。
だが、「ディストピアでモブ市民が振り回され、奮闘し、報われたり報われなかったりしてオチが付く」という形式の短編を好んで忍殺を読んでいた自分にとっては食い足りない。3部までは革命と闘争の話としても楽しんでいたのだけれど、4部になるとマスラダもフジキドも支配体制や社会構造をひっくり返そうとしてくれない。そうなのか、という感じだった。本編の長さも、一エピソードが終わるとまとめて読むというスタイルで読んでいた自分としては、まとめ読みのタイミングが掴めない。
更新された記事を溜めることが多くなり、有料マガジンの購読は止めてしまった。ツイッター連載では明智光秀が大変なことになっているようだが追う気力が湧かない。特にオチはない。