2019-09-12

忘れられたNHKキャラクター、ゴメンライダー

 かつて、アレクサンドリア図書館では二種類の本が所蔵されていたという。巻物と、現代の本のように綴じられた本だ。どちらにもそれぞれメリットがあったが、綴じられた本にあった最大の利点は、ページの表と裏の両方に書きこむことができることだった。つまり、単純に空間あたりの情報密度が倍になる。そういうわけで、いつの間にか巻物は駆逐され、今と同じ形の本が広まっていったという。同じ理屈で、私たちパンチカードからテープへ、フロッピーディスクディスクを経て、USBSDカードへ、その先へと進んできた。

 ここで、ハードの乗り換えの際、重要でないとされたものは、最新のメディアコピーされなかった。つまり、巻物には記録されていたのに、現代には伝わっていない古代著作が多数ある。当時の様子を伝えてくれたかもしれない資料が、こうして失われた。同じように、今でも貴重なデータフロッピーディスクに埋まっていることだってあるかもしれない。笑ってはいけない。ある企業文書MOディスクに保存されていると聞いた。霞が関重要公文書フロッピーの中に眠っており、読みだすのに一苦労、なんてこともあるのかもしれない。

 そして、現代において最も重要知識の移行が、オンラインであるネットに載っていない情報はあたか存在しないかのように扱われてしまいがちで、それが私たち記憶に対して、自信をあやふやにする。

 私が幼いころに見ていたNHK教育番組に、「ともだちいっぱい」というものがあった。その一コーナーで、ペカリンさんなる人物が「困ったときはチャンスです」と歌いながら主人公絵本世界に招き入れ、課題解決のヒントを与える、という寸劇があった。一応、その概略を示したwikipedia記事存在する。それでも、各回にどんな人物、一回限りの登場キャラクターがいたか網羅した情報は、ネット上にはまったく見つからない。

 私の記憶では、フラフラになるまでフランダンスを踊る島の人々や(彼女たちにアイスキャンディーを配る)、標識や印の便利さを伝える回に出てきた「ノッペリ」なる人物松竹梅の三種類の樹を並べ替え方法は行くあるかを問う怪人、姫に無理やり求婚する「イイダ王子」、それから「ゴメンライダー」なる悪役が出てきた記憶がはっきりあるしかし、いくらgoogle検索しても彼らの影も形もない。

 他にも、「ひらけポンキッキ」に出てきた、ドレミの歌とともに人体模型じわじわ歩いてくるトラウマ級の映像も、存在した証拠ほとんどない。ガチャピンの声で「体の中はどうなっているのかな? 見てみよう?」と言うと、子供と虎と魚の骸骨や内臓が見えるのが恐ろしく、布団の中に潜って怯えていたことはしっかり記憶しているのに。

 こうするうちに、初期の「ひょっこりひょうたん島」のオリジナルテープが上書きされて永遠に失われてしまったみたいに、彼らの存在した証拠も、コピーが取られることもなく、消えてしまうのだろうか。そういえば、羊皮紙の写本もときどき重ね書きされ、古代の貴重な写本がいくつも失われた、と耳にしている。

  • anond:20190912221434

    お前ランデブー増田だろ ナル臭さがそれっぽい

  • anond:20190912221434

    まったく関係ないが、ひょっこりひょうたん島をなんとなく弾いてみたくなって、コード探ったんだが、あれいいな 音楽理論的に理屈は色々言えるんだろうけど、なんか遊び心がある こ...

記事への反応(ブックマークコメント)

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