9月8日にシュナムル氏がツイッターでつぶやいたラノベ表紙問題、そしてそこから派生したキズナアイ問題について。約一カ月遅れではあるがこの論陣に参戦してみたいと思う。
「きょう書店で娘が心底嫌そうな顔で「お父さん、これ気持ち悪い…」と指さした光景。
自分の属する性別の体が性的に異様に誇張されて描かれ、ひたすら性的消費の道具として扱われる気持ち悪さは想像できるし、それを子供の眼前に公然と並べる抑圧はほとんど暴力だよなと改めて思う。」
シュナムル氏は、最近のラノベの表紙を女性の体を性的に異様に誇張して描いている、と書いている。
はてな界隈では性的消費のワードが注目されているみたいであるが、私個人的にはこの前段の文章の方に違和感を覚えたという言うか、引っかかった。
ラノベ表紙に描かれているのは雑誌モデルのように実在の人間ではなく、物語上の非実在のキャラクターである。
非実在のキャラクターなのだから被害者が存在していない。だから性的消費云々の問題以前に一体これの何が問題なのだろうか、という反論がはてな界隈でも出ていた。
だがここで重要なことは、表紙絵のモデルや下地になっているのはリアル社会における現実の女性一般である。ロマサガ2に出てくる人外のサラマンダーのような完全な架空の生物でない以上は、現実社会の女性をモチーフにしているはずなのだ。
である以上は、ラノベ表紙に描かれている女性キャラクターは「女性一般を性的に消費する」ことになるのだ。
女性の人格を無視して性的な存在としてだけ消費しており、従って全ての女性に対する尊厳の侵害である、というフェミニストの主張は筋が通っている。
しかし、ここでシュナムル氏やフェミニストたち、はてな界隈が見落としている点がある。
問題のラノベ表紙に描かれている女性の絵は、確かに胸や露出を誇張してエロ要素を前面に出している。
しかしこのような格好をすることができるのは一部の女性(キャラクター)だけであろう。
何が言いたいかというと、ラノベ表紙(だけに限らず雑誌やテレビなどにも共通するが)に登場することができるのは、一定レベル以上の美人や可愛い容姿、スタイルを持った女性だけである。
シュナムル氏もこの点を分かった上で敢えて書いていないのか、それとも本当に見落としているのか定かではないが…。
「自分の属する性別の体が性的に異様に誇張されて描かれている」とシュナムル氏は書いているけど、それは間違いである。
ラノベ表紙に描かれているのは、一定レベル以上の容姿の女性キャラクターという記号としての普遍化されている「シンボル」である。※シンボルの部分を「アイドル」とも「偶像」の言葉に置き換えてもいい。
ラノベの表紙からはブスキャラクターは徹底的に排除されているわけであり、この時点でシュナムル氏の言う「女性一般の身体を性的に異様に誇張して描いている」という話は破綻している。
ブスは女のカテゴリーから排除する、という暗黙の了解が存在しているからだ。
性的消費されているのは女性一般ではなく、一定レベル以上の容姿の女性だけであり、ブス一般は別に性的消費されていない。
何度も言うが、「美人一般」が性的消費されているとしても、それはあくまで「美人一般」だけであって、決して女性一般は別に性的消費されていない。
美人一般というパワーワードがスゴイw 支持するわw