2018-05-28

同調圧力に屈しないこと。それは正しいのか?

近年、同調圧力に屈しない事が正しいこととして扱われる傾向があるように思います

飲み会への参加を断るだとか、学校での同調を迫る雰囲気辟易して学校へ行くことをやめるなど様々な場面で同調圧力への抵抗が現れています

話を進めるに先立ちまず前提として言っておきたいのは、わたし個人としては同調圧力が悪しきものだと考えているという事です。

同調圧力に抵抗する事には大抵、抵抗した者を排除する作用が伴います。そして日本においては集団から排除を受けると、実社会生活が満足いくような形で立ち行かなくなる可能性が高いと言えるでしょう。

そのような意味圧力に抵抗するということは、個人意思決定自由実質的に奪ってしまうと言えるといえます

そして人間は皆、自由な内心に従った意思決定をし、その意思決定に基づく行動は社会的法規範および他人人権侵害しない限りにおいて、許されてしかるべきだというのが私自身の根本的な思想なので、上記のように同調圧力自体は悪しきものと考えています

話を戻しましょう。

では同調圧力に抵抗する事は正しいのでしょうか。

もちろん、同調圧力により強い精神的苦痛を受けて死を選ぼうとする人は同調圧力から逃げる事を選ぶべきでそれが正しい手段でしょう。

宗教的議論はあるにせよ、死んでしまえばそこで何もかも終わりになってしまうのですから、命を終わらせる前にまず同調圧力から逃げてみるべきだからです。

しかし、そのような段階に至る前において同調圧力に屈しない事が正しいと言えるでしょうか?

最近は「飲み会なんて行く必要はない」「学校なんて行きたくなければ行く必要はない」と言った発言がよくされており、このような発言には肯定的意見がよく寄せられています

結論から言うと私はこのような考えは「現状では」間違っていると思います

何度も述べているように、同調圧力は悪しきものです。しかし、実社会に目を向けて見ると、飲み会に参加する人の方が職場での居心地が良くなる傾向があるでしょうし、学校にしっかり行っていた人の方が将来的な選択肢が広がる(すなわち自らが望む進路に進む事ができる可能性が高くなり、その中で報酬としての金銭を得る事ができる)傾向があると言え、同調圧力に抵抗しないほうが良好な生活環境を維持しやすいでしょう。

私たち社会の中で生きる存在ですから、このような社会傾向から目を背けることはできません。生活にはお金必要であり、お金を稼ぐには働く必要があります。そして異論はあるにせよ、一般的には良好な生活環境には良好な人間関係を築く必要があると言えるでしょう。

社会的に大多数の人にとっては良好な生活環境を維持する事が重要でそのための選択が「正しい」選択と言うべきでしょう。(自分の信念を貫く事が重要であるという人もいますが、そこまで強い人はなかなかいないものです。)

「現状において」この両者を実現するためには基本的同調圧力に従うほかないのです。

なぜなら「みんないやいやながらも同調圧力に従っているから」です。

これには他人が辛いからといって自分までその辛さを受忍する必要はないというという批判があるでしょう。しかしこれは綺麗事にすぎません。このような発言基本的他人と同じ辛さを受忍させられる側から出るものと言えるでしょうが人間聖人でもない限り自分が辛い時に辛くない他人を恨めしく思ってしまものです。

すなわち、「現状では」同調圧力に抵抗しない事が自身生活の質を上げるという意味において正しいのです。付け加えるなら、同調圧力に抵抗しつつ良好な生活環境を維持したいと「他力本願的に」望むことはむしろ自分勝手で無責任が過ぎると言うべきではないでしょうか。

では同調圧力に抵抗する事が正しい事だと言えるためにはどうすれば良いのでしょうか。

これに対する答えは、現在社会傾向を変える事でしょう。

そんな事できないよ、という声があるかもしれませんそしてその通りかもしれません。

しかし、同調圧力に抵抗し、かつ良好な生活環境を手にしたいのならば、少なくとも社会傾向を変えるなんらかのアクションを起こすべきです。わたし自身はどのようなアクションを起こすべきかについての明確な答えを持ち合わせていませんし、もしかしたら同調圧力に抵抗する事自体がその答えなのかもしれません。それ故、ここまでのわたしの主張もまた無責任ものかもしれません。

しかし、現在の、同調圧力には従わなくても差し支えないだろうという風潮が社会的に広く認容される可能性もありますが、これ以上広がらない可能性もあります。とすれば、仮に後者のようになってしまった場合、結局同調圧力に抵抗した人は良好な生活環境を維持する事ができなくなってしまうことになる可能性が高いでしょう。このように考えるならば「現状において」同調圧力は屈しない事が正しいとは言えないのではないでしょうか?

この問題わたし自身の「同調圧力は悪しきものだ」という考えと、「しか同調圧力に従う事が現状正しいのだ」という相反する考えが衝突する場面でもあります

後者現在社会的風潮とは異なるものかもしれませんが、同調圧力に反対する者として、「同調圧力に従わないことが正しいのだ」という「同調圧力的風潮」に抵抗する事が、現在社会的傾向を変えるための私なりの答えです。

  • 個人個人の意見を大切にすべき。 だから、同調圧力に屈するというよりか、個人の意見を重視すれば良いというか。 多数決で勝ったほうを正義とするのには違和感がある。

  • 周りと同じ事をやりたきゃやりゃいいしやりたくなきゃ断りゃいいって話をよくもまあ長々と

  • 同調圧力に気づかず消耗してる人が多い現状では 啓発として、盛り上がっていることは好いことだと思いました。

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