救いようのないオタク。
心療内科を受けるべきと言われた。
目にハイライトが入っていない人がたくさん来ている。
中学生くらいの子どももいた。子どもを見る親の目が心配の言葉に支配されていた。
身の上話と仕事の事を聞かれて、
調書を纏められた。おお、心療内科ってこうするのか。
そしてまた待たされた。その間にいくつかの心理テストをやるようにと言われ、それをやっていた。
とうとう医者に会う時が来た。
あって始めに言われたのが、
「休職されるべきですよ」
あれよあれよという間に
おお、そうきたか。
そして、休職が決まった。
何と無く楽しそうな事をしていたからという理由で中途で入った会社。
最初の1年は悔しい思いをたくさんした。
でも同時にたくさんいい経験をした。
フリーターでぷらぷらしていた自分にいろんな事を教えてくれた。
そう言い聞かされていたけど、蓋を開けたらそれどころじゃなかった。
まったく業務の仕組みが違う。
ここに来たら前の事は忘れて欲しい。
そう言われて目の前が真っ暗になった。
そこで歯を食いしばって2年目になった。
周りの事が少しずつ見えてきた。
そして、自分を馬鹿にしていた新人さんに対して目に見えないいじめがあるのに気付いた。
新人さんは腹のなかでは何を考えているか解らない子だけど、正義感は強い子だと思っていた。
若さ故にいろんな事に気が付いて、声を大にして言うタイプ。母親に似ていた。
それを上司へと伝えた。
暫くして彼女は助けられた。
それで良かったのだ。
今度は負担が私に振りかかった。
いじめは無かった。
が、業務量が格段に増えた。
私は仕事が出来るようになっていた。
新人さんがいなくなった後、この職場が上手くいくように、穏便に済むように、務めて明るく振舞っていた。
女ばかりの職場だから、当然ある事なんだろう。両親に話してもそんな結論ばかり。
私はオタクだ。
だから、癒されるのはオタクコンテンツだと思って、愚痴は両親に話し、好きなコンテンツを消費してストレス発散をしていた。
していた、ように思っていた。
いろいろな不調が出てきた。
身体が鉛のように重たい。
考えがぐるぐるし始める。
このCDとかグッズは売ったらいいさ。
でもこのぬいぐるみたちはどこへ行く?
私はオタクだ。
だから、この症状がなんなのかは薄々わかっていた。
でも見ないふりをしていた。
いよいよおかしいと気付いた時には、
好きなはずの作品を見ても、心から楽しかった!とはならなかった時。
心療内科の医者はこういうタイプの人間はどこにでもいると言っていた。
途端に罪悪感が湧いてくる。
冷静を保つにはどうしたらいいんだろう。
何かするべき事は?
ここ数年で私が辿った道筋をまた見ているようだった。 環境変えるのが一番だよ。 心療内科に行って正解だったね。 ゆっくり休養してください。