野々村という兵庫県議会議員の会見動画なるものを見て唖然とした。
あんなの会社とかにいたら、典型的な「仕事のできない人間」なのは一目瞭然。
でも、あんな人間でも、選挙期間中に名前を連呼して選挙区を走り回って、
あまり深く考えてない選挙民に名前を覚えてもらえれば当選してしまう。
投票日は平日なんだが。
選挙の機会が少なく、選挙結果の生活への反映が実感できるので、
選挙回数の少なさが影響しているに違いない。
いずれの選挙も、比例代表制。多くの主要政党は長い歴史があり政策は一貫している。
政党は、合併したりするよりも、開票後の議席数での主導権争いを優先する。
議席配分が決定した時点で、次の選挙への運動はもう始まっているのだ。
永年存続する党組織内の目利きが、実務能力を主な基準に名簿順位を決める。
仕事ができない無能者が議員になる可能性はここで非常に低くなる。
いずれも直接選挙ではない。第一院は第二院の議員、州議会は市議会議員による投票で決まる。
この際、市議会与党とは異なる政治信条を持つ者が選ばれることは珍しくないし、
自治省は対立的性向を持つ人物を、そもそも「実務能力のある人間」として選ばないので、
都市部の首長選挙が単なる「人気投票」と化してしまっている日本人から見ると、
市長の実務能力が担保されているオランダのシステムは羨ましい限りだ。
衆議院も参議院も2票ずつ。県知事、県議会、市長、市議会、それぞれ一回ずつ。
選挙の回数が多すぎるので、
前回の自分のどの投票が生活にどのような影響を与えたのか覚えきれないし、
失敗や成功を参考にできる他国の制度(イギリス・フランス・ドイツ・ベルギー等)が間近に見れるから
成り立っているとも言える。
ナポレオン退位以来200年間、国体が変わっていないという利点もある。
日本の選挙制度の成立にはアメリカの制度の影響が色濃く見えるが、
立派なタテマエとは裏腹に、アメリカの選挙制度の社会に与える影響ってどうなんだろうね。
それでもウィルダースのような排外主義者が議員として影響力を持つことができるので、
「実務的な」オランダ人たちはそこに頭を悩ませている。