私は、かわいい人や美人な人が大好きだ。みんな、多少ノリが違っても話が合わなくても、こっちが無愛想でもにっこり笑ってくれるし文句を言ったりもしない。優しいし話を合わせようとしてくれるし、喧嘩をしないですむように気を使ってすらもらえる。そういう人たちと同じ土俵に、その資格もないのに立たなきゃいけない、と言うのが苦痛なんだ。女を売りにするのも別にいいと思う。それを売りにすれば最大限売りにすればいいんじゃないって。あれだけまめに手入れをして、ダイエットして、食べたいもの我慢して、いやなことがあってもにこにこして、つまらない仕事も丁寧にこなして、そういうの私できないと思う。せいぜい自己流の自己満足でやるくらいしかできないもの。だいたい私は意地悪されたことないし。

自分はそうじゃないから、そうじゃないところで社会に価値を認めてもらおうとして、そういう価値観で勉強も頑張ったし、仕事は自分なりにがんばってる。男の人から面と向かって嫌なことを言われたりもするし、都合のいい時だけ女扱いされて嫌な目にあうこともあるし、不満たらたらいわれることもあるし、陰で男の人が女の人に対してどういうことを言って、どういうランク付けをして、っていうのも知ってても、自分はその中でしかやっていけないことを知っているから頑張ろうと思う。

多分彼女たちの世界にとって、最良の場所から滑り落ちるってことが年をとることなのだとしたら、私にとってのそれは女扱いされてちやほやされる状態なんだろう。生き方がもう真逆で、心からわかりあうことはできない。でも、私は彼女たちが好きだし、これからも好きだと思う。

焦りがあるかどうかと言われれば、仕事の面でのあせりはやっぱりある。30代にさしかかってこの程度のスキルで、と思うと焦る。それは多分女と言う武器を最大限に使ってきた人たちも同じで、同時に男の人だってきっと同じで、自分がこれだと思っていた武器がたいして威力がないのに気付くのがこの時期なんじゃないのかな。でもきっとこの武器だけで生きていく必要はないんだろう。他の、偶然手に入れて自分にはその価値がないなぁと思っていたことも使えるかもしれないって視野を広げていく必要があってそれができるのが、アラサーなんじゃないかとか。そういう風に思ったりする。

彼女たちは別に対局じゃない。彼女たちを比較対象にして自分が幸せだとかついてないとかそういうことは感じない。みている側面が違うだけだから。

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