はてなキーワード: 最後通牒ゲームとは
満員電車から降りるとエスカレーターが混雑するが、俺はいつも右側に立っている。わざわざ後ろに回って左に並ぶよりも時間の短縮になるからだ。
エスカレーターに乗ることは最後通牒ゲームに参加することだ。同じタイミングでエスカレーターに乗ってる相手とは今後何の関わりもないので、自分の利益を最優先するのが最適解だ。
あるいは囚人のジレンマだ、相手が反撃してこないなら真っ先に裏切るのが利得を最大にする。
そもそもエスカレーターは両側に立って使う前提で作られている。右側を開けることはエチケットでもマナーでもない、単なる勇気の欠如だ。たくさんのアホを追い抜いてスマホを眺めて突っ立っていよう。ズルいと思ったらみんなも同じ行動をとってほしい。
ずっとウクライナの状況が気になる。
全くそれを非難するつもりはないがゼレンスキー大統領をはじめとするウクライナの思惑に巧く乗せられている。彼らはソーシャルメディアを駆使して、この戦争はヨーロッパの、西側自由主義社会に対する侵略だということを繰り返し主張して、それに呼応して西側社会は打つことのできる手は、かなりのレベルで打とうとしている。
とはいえそれは前例のないほどの内容のものとはいえ、経済制裁であったり後方からの武器の供給であったり、当たり前ではあるがロシアとの軍事的直接対決につながらない間接的なものに留まっている。ウクライナ領空の飛行禁止区域設定はオプションともなっていない。
果たしてこの戦争がロシアの思惑通り進み、キエフの陥落、現ウクライナ政府の解体、ロシアによるゼレンスキー大統領の確保、最悪の場合は殺害、というふうに展開して、それがTwitterでリアルタイムにゼレンスキー大統領やウクライナ政府から発信されたとしたら、そして西側の直接的な介入を悲痛な声で求め続けたとしたら世界はどうそれに反応するだろう。
EU、NATO、アメリカは黙ってそれを見過ごせるだろうか。SNSでウクライナの今よりもさらに痛切な叫びを直接受け取る普通の市民たちは黙ってスマホの画面を消せるだろうか。
もちろんロシアとの軍事的な直接対立は、より破滅的な核攻撃に発展する可能性を持っている。
しかしそれが見通されるからと言って、ウクライナがロシア化されてこの戦争は終わり、ウクライナの人たちは残念だったね、とタイムラインの向こうに埋もれていくのをよしとできだろうか。できない人の数はおそらくものすごく多いだろう。
まさに最後通牒ゲームだ。自分のリターンが損なわれても正義はなされなければいけないと感じてしまう。でも一般市民に何ができる?