2023-01-29

実家暮らしOL、親に隠れて水商売をしていた頃の話

当時のスペック

⚫︎20代半ば

⚫︎IT業界契約社員

⚫︎額面20ボーナス残業代なし

⚫︎実家暮らし職場まで片道1.5時間

⚫︎彼氏なし

⚫︎貧乳ブス




新卒就職した大手企業を辞め、東京から関西に出戻って新しい会社に入ったばかり、未経験で入ったもんで仕事できなすぎて社内の風当たり強かった

ストレス発散に週末、友人とバーに行った



バーにはオーナー外国人)がいて、タバコ吹かしながらペラペラ関西弁で嘘かホントか分からないことをペラペラ喋っていた


キャスト可愛いお姉さんに優しく接客してもらったこともあり、テンション上がった私はそのオーナーに「ここで働きたい」と言った

オーナーは「イイヨー」と言った









翌週末、今度は1人でバーに行った。

開店前でシャッターが閉まっており、少し待ってたらオーナーが来たので

「働きに来た」

と言ったらオーナーは「本当に来たの?!?!」と驚いていた。

先週のアレは冗談だったらしい。気づかんかった

当時実家会社の往復で、何も楽しいことが起こらず、このまま男性出会イベントもなく日々が過ぎるのか...と鬱々としていた私は、日常の中に非日常を発生させたかった。

働きたかったのだ、なんとしても、この明らかにアンダーグラウンドバーで。

お金は要らない」と言ったらそれはさすがに難しいらしく「700円」と言われた。

こうして、時給700円のバーテンダーが爆誕した。

※ちなみに他のキャストは1200円だったか1400円だったかそんな感じだった。



初日はとりあえずカウンターに立たされ、「ドリンクの作り方は客に背を向けてる間にググって調べろ」とだけ命じられオーナーは帰った。

なるほど、魚の釣り方を教えるってこういうことか。(違う)

そんなわけで初日からワンオペという適当さの極みだった。チャージなしドリンク500円からなので客も期待してないだろう。




平日はOL、週末はバーテンダーとして働く日々が始まったのだがまあ色々なことがあった。

⚫︎関西では誰もが知ってる中堅芸人が後輩を連れて店に来た。

ただ自分芸能人への対応方法を知らなかった。

過去芸能人テレビで「コンビニ芸能人に声をかける店員プロじゃない」と話していたのが印象に残っていて気づかないふりをしていたのだが、当然ながらここはバーな訳で...

から来たベテランキャストが「いつも見てます!」と声をかけるととても嬉しそうにグッズを渡していて、自分想像力の無さを呪った。

後輩の前という手前、バツが悪かっただろうな、ごめん。

⚫︎明らかに堅気ではない謎の集団が来た。

ボス的なポジションの人は「映画を作っている」と言い、こちらへの下ネタがひどくて(だるー)と思いながら座って接客した。(この日はOLからの朝までバーテンダーで疲れていた)

取り巻きの1番下っぽい子分刺青がすごかったので、入れた時痛かったか聞いたら「何故か肛門が痛かった」と教えてくれた。

別の取り巻きに某有名シンガー彼氏がいた。彼氏芸能活動をしているらしくイケメンで、こんな雑ブスバーテンダーの私にも優しくて流石だと思った。

⚫︎バーテンダー同士の男女のいざこざがえぐかった。

複数バーが集まる場所だったので、どこどこのバーの店主とヤった、という話もあれば同じ店のキャスト同士で気づいたら子供ができててすぐ離婚常連客と出来ちゃった結婚、みたいなパターン複数。ちなみに自分貧乳ブスなのでかすりもせず。

⚫︎世間知らずでビジネスマナー0のOLだったので客にも度々失礼をやらかしていた。

客のおじさんから名刺を渡すよ」と言われたけどガチで要らなかったので「要らない」と言ったら怒ってた。こういうときは貰っとくのがマナーらしい。

⚫︎1人だけガチ勘違いおじさん(既婚子有り)に粘着されてしつこいメールの末、店外で焼肉を食べたことがあった。食べた後「このあとどうする?」と言われてマジで鳥肌が立って速攻帰った。私がお前と寝るメリットどこにあるのか教えて欲しい

⚫︎東京からたまたま帰省したという青年客がかっこよくて惚れてしまい、もう会えないかなーと毎晩祈りながら寝ていたら半年後くらいに再来店して胸がバクバクした。オーナーアシストのもと無事に逆ナンし連絡先を交換できたが、店外で会うとお互い魔法が解けてしまい、3度ほどデートしたが自然消滅。甘酸っぱかった。まあブスなので...

⚫︎キャストの生態は総じて謎だった。こんな自分にも優しく接してくれていたが、お金を盗ったとかでクビになる人もたまにいた。差別と言われるかもしれんが男キャストは全員クズ感がすごかった。女の子はしっかりした人もいた。




...と、約1年間勤務していたが

厳しい両親に対しバーで働いていることを隠しながら駅まで送迎してもらう状態限界を迎えつつあったので、辞めた。

毎週土曜日ほぼ終電で帰ってくること、その際の匂いがいつも同じであること。

こんな状態が約1年続けばどんな鈍感な親でも怪しむだろう




あれから7年くらい経った今でもオーナーからちょくちょくラインが来る。

(女が欲しいといったゲスい内容で大体は無視している)



20代半ば、それまで大卒就職...と品行方正なレールに乗って生きて来た自分には新鮮すぎる経験で、人生の思い出として死ぬまで忘れることはないと思う。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん