2021-03-11

知的障碍者が嫌いだ

軽度知的障碍者が嫌いだ。社会的弱者の振りした卑怯者だと思っている。

生後7ヶ月から児童福祉施設で育った僕は、比較知的障碍者と多く関わる環境にあった。

僕のいた福祉施設は、家庭の事情で入所する0歳から18歳までの児童がいて、その3割は軽度知的障碍者だ。

僕が入所したのは生後1歳未満。5歳の頃に同い年の知的障碍者Mが入所してくる。Mの障碍については詳しく知らない。中~重度の知的障碍者対応しない施設だったので、軽度であることは間違いない。

Mは、日常会話はできるしコミュニケーション能力もあるが、ただ人前で発言ができない。教室のような数十人の面前では以ての外、5~6人以上の前で発言となっても頷くくらいしかできなくなる。多数決で手を挙げることすらできない。会話もできるし、意思もあるのに。ただ、出会ったばかりの5歳の僕はそんなこと気にする由もない。物心がつき始めた時期だし、当然だ。Mの障碍を意識し始めたのは小学校入学以降。入学式で名前を呼ばれても返事ができなかったり、自己紹介担任が代わりにしていたり。入学当初こそ、緊張しているものだと思いきや、授業中も終わりの会でも、6人程度の班会議であっても、人前だと一切発言しない。一人ひとり全員と仲が良くてもそれが複数名となると何も話さなくなる。そうこうしているうちに、Mは3年生の夏以降、国語算数理科社会の授業は特別支援学級たんぽぽクラスへ通うようになっていた。

僕はMの世話を焼くのが好きだった。帰宅先が同じなので毎日Mを迎えにいって下校していたし、なにか意見を発表しなければならない場面では、施設でも学校でも僕がその代役を務めた。Mも僕にべったりで、行事ごとの班分けは同じに、席も隣に配置された。

喧嘩をすることもあったが、何かある度にMは僕を頼りにしたし、僕もMには僕がいないとダメだと思っていた。

障碍者に対する優越感あっての行動と言われれば、そうだと思う。小学生なんて、差別偏見よりは「周りから褒められるから、頼られているからやってる」が最大の動機だし、それが優越感だと言われれば間違いないと思う。

前置きが長くなったが、事が起きたのは小学5年の春。

福祉施設は1部屋6人に施設職員1人の担当制でグループ分けされている。総勢60人程度の施設になるのだが、年齢で分かれているわけではなく、一部屋に0歳~18歳までの同性の児童が振り分けられる。当時は、18歳の高校生H・僕・M・小学2年生の軽度知的障碍者N・中学3年生2人というメンバーだった。

小学生は9時に就寝なのだが、僕は大体毎日こっそり夜更かしをしていてカーテンで仕切られたベッドで読書をしていた。ある日、高校生のHが担当と話しているのが聞こえる。かいつまんで話すと、Hが友人からもらった地域限定版おっとっとが盗まれたそうだ。僕を完全に寝ていると思い込んでる二人は、お菓子の空き袋がNのロッカーから見つかっているのにも関わらず、犯人を僕という前提で話していた。理由簡単で「中学生2名は修学旅行中でアリバイ有。ゴミ自分のところに残すようなことを犯人はしないだろう。かといって他人ロッカーに入れることも、障碍者にはできない」という理由らしい。本来就寝時間のため、その場で違うと否定できず、眠れないまま朝を迎えた。学校へ行くと僕はさっそくNを問い詰める。「知らない」とNは即答した。Mの元へ向かう。答えは同じだ。もちろん他の部屋の人が盗んだ線もあるが、僕は長年Mといた経験から、Mが嘘をつくときの癖を知っている。Mは、そんなことつゆ知らず目を泳がせながら知らないという。本当のことを話してとお願いしても知らないの一点張り詰んだ。まぁ僕じゃないことを証明できればいいと帰宅した。

だが、一度「犯人」と思い込まれ人間は、その濡れ衣払拭できない。もちろん日頃の行いは影響するだろうが、僕は学校児童役員を務め、成績も悪くなく、大人からは好かれていた。はずだった。

部屋で正座をさせられ、施設長・担当高校生・N・Mが僕を囲む。鼻からお菓子を盗んだのはお前だろう」と決めつけられ、否定しても「もう一回聞くぞ、犯人はお前だろう」の繰り返し。どれだけ否定しても「わかってる」「お前しかいない」と話しすら聞かない。その上、知的障碍者Nが「今日学校で私が盗ったことにしろと言ってきた」と嘯いた。知的障碍者小学2年生がだ。は?

施設長が嬉々とした顔で「Mもそういわれたんじゃないか?」と聞いた。Mは人前で発言できない都合のいい能力者だ。「盗ったことにしろとは言われていないが詰問はされた」と話せず、首を縦に振った。施設長が怒鳴る。頭に入ってこない。最初こそ「なんで最初から僕だけを疑うのか」と聞いたが、「障碍者純粋からそんなことをしない」との一点張りバカか。MもNも通常クラス勉強にはついていけないし、九九も言えないが、そこまで馬鹿じゃないぞ。嘘もつくし施設であるいじめだって加担する。人の陥れ方も媚の売り方も知っている。

想像してほしい。小学5年生が頼れる親がいない状態で、最初から人を疑い話を聞かない大人3名に囲まれ怒鳴られる3時間。感じたのは恐怖よりも、呆れと絶望だった。

気が付いたら僕は、「僕がやりました」と言っていた。心が限界だった。土下座しろと怒鳴られ、頭を下げる。これで解放されるという清々しさがあったが、頭を挙げた瞬間にバツが悪そうに目をそらし、でも口元は笑っているMが視界に映り、舌を噛み切ってやろうかと思う。

後日、Mに聞いた。やはり、Mがお菓子を盗みNとともに食べたそう。僕に濡れ衣を着せるつもりはなかったが、人前で発言ができなかったため結果的にそうなってしまったと言った。僕が自殺する素振りを見せると泣きながら謝ってきた。

Mを同席させ担当に伝えたが、一度目を見開いて驚いた表情をした以外では、謝罪もなく「そうなんだ、じゃあ肯定しなきゃよかったじゃん」と言っただけだった。すでに大人へなにかを期待しなくなっていた僕は、その対応に驚きもしなかった。

未だに、社会的弱者知的障碍者応援しよう的なフレーズをみると虫唾が走るシャワーを浴びる瞬間、頭を下げると、卑怯知的障碍者2人の前で土下座させられた事実を思い出して吐き気がする。たくさんの人の支援を受け、福祉的に優遇されている知的障碍者を見ると反吐が出る。あいつらは、世の中が想像しているほど純粋でも馬鹿でもないぞ。

  • キミ、苗字ハセガワさんっていうの?

  • 憎むべきは大人の方だと思うが…

    • それはもちろんとして…というよりこの件で大人への感情は呆れだった。 事の発端である知的障碍者を憎まない理由はないし、大人を「憎む"べき"」というのもよくわからん。

      • 障碍者といっても相手も子供だったわけで、大人複数名巻き込んだ大事件になってから自分で名乗り出るなんて健常者の子供でもなかなかできないんじゃない?ことの発端になったその...

  • これは作り話。障碍者がそんな悪さをするわけ…ないだろッ!

  • 日本3位なんてものが知力にいた場合 早稲田あたりをつれてきても、知的障害者にみえちゃう 難しい問題

    • 日本の国益のため 世界の利益のため 説明してください おくにのために死んでくれはだめだけど 世界のために死んではいいよね

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