2015-04-02

リセールエンジニアというお仕事 (2)

anond:20150327184724のつづき。

ポストセールスとプリセール

JD(Job Description)に書いていない限りは、プリセールエンジニアとして採用された人間は営業組織に属し、プリセール活動を行う。通常小さな会社(グローバルで数百人、日本10人等)であってもカスタマーサポート組織と営業の組織トップレベルから分かれており、プリセールスのエンジニアが購入後の顧客(やパートナー)の代わりになって自ら社内でトラブルエスカレーションをすることは無いし、そのような権限も無い(日本代理店ビジネス場合は、解析や切り分けはたいていサポート提供しているパートナー仕事だ)。購入後の顧客で発生したトラブルに関してプリセールエンジニアができることといえば、進捗が遅い時に催促したり、状況をかいつまんで顧客に知らせることくらいだと思うが、これとて営業でも実施可能なことである

次項の内容とも関連するが、火事場に駆り出されて業務範囲外な支援コミットをさせられるかどうかは営業の力量や考え方次第でもある。

担当営業との関係

営業によってスタイルは様々。御用聞きに徹して顧客の言うことはなんでも受け入れ、その結果社内の色々な組織に無理を通して煙たがらる人もいるし、できること・できないことの見極めと顧客に対するお断りの仕方等のバランス感覚が大変優れている人もいる。前者と組むことになったプリセールエンジニアは、(会社ではなく)その営業個人の顧客から評価を高めるために使われることを強いられるため要注意。

組む営業が変わった時には、まずその人がどんな考えを持っているのか、自分との間の力関係はどうなのか、組織の中でどういうポジションなのか等を見極めてどう振る舞うかを考えよう。

例えば上記の前者のような人であっても、社内での影響力が大きく売り上げへの寄与がそれなりにあればそれに従わざるを得ない。従わずダメ出しされてしまった場合には自分雇用が怪しくなる(”刺される”と言う)。逆に社内での影響力が小さければ自分上司を使って刺してやればいい。

必要とされる技術レベル

前述のとおり、「エンジニア」という名前がつきはするものの、結局のところ同じ組織他人が作ったブラックボックスを販売するための技術サポートをする仕事にすぎないので、ガチエンジニアである設計・開発に比べると必要とされる技術レベルはそんなに高くない。強いて言えば、わからないことがあったときに調べて付け焼き刃の知識を得る力があれば良いと思う。また、簡単なツール等が作れると便利なこともあるので、言語は問わないものプログラム経験または知識はあったほうが良い。

必要とされる英語レベル

日本日本顧客を相手にした販売のサポートを行う仕事なため、ネイティブ並のレベル必須ではない。文書の読み書きと口頭でのコミュニケーションができ、自分の思っていることや疑問点が英語話者に伝えられればとりあえずはOKだと思うが、他の国の人(特にHQ)との個人的な繋がりがあった方が有利な場面もあるため、英語コミュニケーションはできるに越したことはない。

英語技術レベルについては、面接で30分程度も話せば把握可能なので、特に資格を持っている必要はない。

この仕事に向いている人と向いていない人

向いている人
向いていない人

出口戦略

今まで見てきた中での最年長は40代前半なので、だいたい定年はそのくらいの年齢だと思う。一般的には大きな会社の方が「この人何の仕事だろう」というポジションが多い業務が細分化されているので、ジョブチェンジを考えている人は30台半ばくらいまでには大きな会社に入ったほうがいいと思う。社内の方がジョブチェンジはやりやすからだ。

今まで見てきた中では、以下のような出口を見た。

  1. プロダクトマーケティング
  2. エバンジェリスト
  3. マネジャー
  4. ミリタイヤ(個人投資家)
  5. エンドユーザー企業技術者

1と2は、技術的な知識を活かして少し別の仕事をというケース。3は同じ組織での昇進なので、厳密に言えば出口ではないが、新しいキャリアなので挙げた。5はほとんどいないが、「メーカー=製造元=技術情報の海」みたいな幻想を抱いて入って来たものの、単なる海外営業所の一つという現実失望してすぐに辞めてしまパターン英語ネイティブ並みだとHQへの転勤や、日本ビジネスを開始したばかりのスタートアップ(従業員1-2名)の同じようなポジション(+α)への転職も可能になり「スタートアップ渡り歩き人材」への道も開け、その場合50歳くらいまでは粘れるが、スタートアップは長期雇用になりづらく、ジョブホッパーになってスタートアップ以外からは歓迎されない立場になってしまリスクもある。

最後

外資メーカーで働く」と言うと聞こえが良いが、社内では単に極東の一拠点の売り子である。どの職種、どのような会社から転職を考えているかにもよるが、万人に勧められる仕事ではないのは間違いない。また、会社によって待遇やワーク・ライフバランスは異なるため、人材紹介会社面接担当者の言うことを鵜呑みにせず、前回のエントリーにも書いた通り本音情報を得ることをお勧めする。

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