私は公共セクターで広報に関わる仕事をしています。数年前から、いわゆる萌えキャラクターを活用した広報をやっています。
萌えキャラクターを活用した広報は、うちの仕事では今までにないぐらいの話題性が出ていて継続的にやりたいというところです。
また、今までの心積もりとしては、男性向けと女性向けを交互に展開する方向ですすめてきました。
確かに、スプツニ子さんの指摘のとおり、人工知能学会の紀要の表紙は差別的であると非難されてしまう要素はありました。また海外で活躍されているスプツニ子さんやメイロマさんのご指摘のとおり、海外からの指摘として、ああいった日本的なサブカルチャーに依拠したものは理解され難く、非難の対象になることも、おっしゃる通りです。
特にメイロマさんの指摘の通り、リスクマネジメントの観点から言えば、公共性のある舞台では避けるべきというのはもっともな見解であると思います。
さて、どうしてもオタクカルチャーの文脈は異性を性的に見る視線が脱臭できません。それは、その出自からも明らかなことです。宮崎駿ですら、その少女を描く視線にオタクあるいはロリコン、あるいはマザコンとしてのリビドーが見受けられるでしょう。
しかし、いや、だからこそというべきでしょうか。そのようなリビドーとファインアートの反対としての技巧主義的な姿勢に裏打ちされ、同時に作家性(=ファインアート性)を抱き込みながら、大衆向けポップカルチャーとしての地位を築く原動力となりました。
もう第4四半期です。予算の執行も迫っています。私はイラストレーターやデザイナーを選定しなければなりません。
しかし、ここで下手を打てば。つまりスプツニ子さんやメイロマさんなどに批判的に取り上げられ、ネットで賛否両論が話題になれば、この方向性は二度と日の目を見ないでしょう。
最近は、コンテンツツーリズムや萌えおこしといった文脈で同業他社さんからの問い合わせもあります。
ここで、私がコケれば、公共セクターがサブカルチャーを活用した広報や事業を行うことに、大きな影響ではないでしょうが問題が生じるでしょう。少なくとも、私の所属する組織では日の目を見ることは無くなります。育てたキャラクターは倉庫の奥に仕舞われ、死に至るでしょう。そして、これは今まで、後ろ暗い趣味であったオタクを世に認めさせてきた諸先輩の顔に泥を塗ることにもなります。
しかし、冒険を嫌い、安全な道を選び続けてきた公共セクターは、とてもつまらないものしか生み出せず、時代や社会にそぐわない「誰も文句を言わないが、誰も得をしない」事業ばかりやるようになっています。いや、現実はもっと悪くて、過去の経緯からの利益誘導に堕しているものが多くあります。
しかし、それが組織はもとより、個人のリスクマネジメントの観点からも妥当なのでしょう。私はそれが嫌で嫌でたまりませんが、しかし、ここで私が怒られ、出世の目がなくなるぐらいで済むならいざしらず、新しいことをやろうとする多くの仲間に水を差すことになるのは避けなければならないと考えてしまいます。
正直言えば、私はスプツニ子さんに恐怖を抱いています。この私の泣き言だって、要するに彼女の顔色を窺っている、あるいは畏れ多くも内心を忖度しているにすぎません。
私はどうすればいいんでしょう。今まであったような、ありがちで文句を言われない、でも誰の記憶にも残らないような広報をすべきなのでしょうか? それとも、リスクを甘受して、新しいものを目指せばいいんでしょうか?
--
家に帰ってみたら、すごい勢いで言及されていてびっくり。とりあえず、はじめてtwitterアカウント作ってみました。
--
1 釣りじゃないの?
釣りではありません。
2 萌え絵が否定されているのではなくて、差別的なモチーフが批判されているのでは?
確かに一義的には、ステロタイプな女性像が描かれたことによって、差別的であると判断された、ということが問題であるというのは認識しています。
しかしながら、フェミニズムの観点から検討すれば、それだけではない問題が明らかになると思います。
そもそも、ある性別が特定のジェンダーロールに縛られるという過程においては「まなざし(視線)」と「客体化」ということが問題になります。女性がジェンダーロールに縛られてきた過程においては、女性が客体、選ばれる性として扱われてきたということがあります。女性が主体化せずに配偶者に付き従う、といったようなステロタイプな見方は客体化という作業なしには存在しえません。また、その客体化はまなざし(視線)によって形成されるものです。
翻って「萌え」というカルチャーを見れば、ササキバラゴウを引用するまでもなく、少女を消費することによって成立してきました。
仮にジェンダーロールに反旗を翻すキャラクターを想起しましょう。古典的にリボンの騎士でも考えてみてください。さて、今、あなたがpixivで「女騎士」というタグで検索すればどういう絵を見ることができるでしょうか?
つまり「まなざし」や「客体化」というプリミティブな作業を経由すれば、ジェンダーロールに従っているかどうかに関係なく、私たちは少女性を食らい尽くすことができます。そして、萌え絵というのは、まさにそのようなカルチャーに根差しているということを指摘しなければならないでしょう。
やりようはいくらでもあります。ネタの絡ませ方や、出し方一つでおもしろい方法はいくらでも考えられます。
少なくない作家が今の時代にオリジナルはないというような事を言っていますが、逆に言えばエピゴーネンの組み合わせというのはまだまだ余地のある分野です。
4 コンサル入れたら? めいろまさんやスプツニ子!さんに頼んだら?
5 追記
仕事上はこんな突っ込んだ話なんかできないし、差別問題への深い理解を求めるというのも難しいのが現実です。そのために、公式見解的なものは、木で鼻を括ったようなものになりがちです。
だから、この問題が公共セクター業界で真剣に扱われ、前向きな解決策が出るなんて思わない方が良いでしょう。
奇しくもめいろまさんがこの件についてマニュアルとコンサルティングによるリスクアセスメントの価値を論じましたが、まさにそういった形で外部有識者という免罪符を買うか、あるいはマニュアル化された手法で乗り切るしか、組織においてはできません。
非常に残念ですが、現実はそのようなところです。
むしろ炎上マーケ狙ってけ。 公権力が動かない限り、どんなに炎上しても何も損しないから。 ドランクドラゴンの鈴木を見れば分かるだろ。
とりあえず「地味で清楚」は地雷だ 日本的とか関係無い 雪印のオレたちのゆきこたんプロジェクトなんかはわりとうまいことやった気がするなあ
http://anond.hatelabo.jp/20140115235030 萌え絵は「ありがち」で「リスク」を内包していると思うんですが萌え絵にこだわる理由が分かりません。
横だが元増田は萌え絵に変えたことで話題性が出た、と書いているぞ。
萌え絵は「ありがち」で「リスク」を内包していると思うんですが萌え絵にこだわる理由が分かりません。 萌え方面は、当たればお金落としてくれる層が【確実に】いるからだよ、ボ...
「かわいい」ばっかり使うな!ブサイクを差別するな! 萌えキャラ、ゆるきゃらはブサイク路線でいけ!
差別的である という単語を簡単に使うことは言論弾圧だし思想の自由も表現の自由も奪ってるだろ。 そもそもR18でもっとひどい表現をしている作品なんていくらでもある。正面から...
メイロマやライブドアのまとめブログのようなハイエナどもに見つからないようにしろ。 ネットで誰もが見れる場所に置く前にリアルで支援者を集めろ。 そしてメイロマのようなネット...
別に海外で批判されてるってのもきちんとした人達が批判してるわけでもないし、 BBCかなんかに取り上げられたのもネット版でしかも朝日のネット版だかで変な英訳したのが取り上げら...
昔、セクハラが話題になり始めた頃、おじさんたちが 「もう女子社員には話しかけられないなあ」 「何をしてもセクハラだもんな」 「怖い怖い」 っていう感じでしゃべっていたのを思...
今回のケースのように問題がないものを問題化しようとしている人がいる場合は、問題化しようとしている人を排除するのが正面から問題に立ち向かう最も良い方法だとおもいます。
たかがオフィスのおっさんや広報は アーティストでも政治活動家でもねーんだから 「正面から問題に立ち向かう」なんて出来るわけねーじゃん。 無難じゃない斬新な振る舞いなんかい...
日本語には「木で鼻をくくったような」といういい言葉がある。 彼らは騒ぎが大きくなるほど、真剣に反論すればする程自説の開陳場所が増えて大喜びなのだから、「木で鼻をくくった...
本当に海外で活躍してたら、あんなに年がら年中twitterにいて、日本語で暴言ばっかり吐いてられないよ。>めいろ ま
元増田自身が「差別と受取る見解」自体には一定の理を認めているのに トラックバックに押し寄せる「差別っていう方が差別なんです―」論法に苦笑 萌え絵自体はまだ全然「大衆向け...
認めてるから何? 元増田が認めているのだから後続は同じ立場に立って当然という論法の方が失笑ものだが
そもそも論だいすき!!
ジブリがやってるようにやればいいんじゃね?
同性愛と違って、性的な炉利表現が世界的にオープンになることはまず100%ないよ。 国内の一部のカネを巻き上げるという目的以外には使わない方がいい。
「政治的な正しさ」なんてクソ食らえだと思うがね
くそくらえでも抗議とかされたらめんどくせーじゃん
地方自治体が萌え絵って手垢つきすぎて新しいとかいうの恥ずかしくない? ふなっしーとかさかなクンとかちょっとは見習えばいいのに