はてなキーワード: 済し崩しとは
中高生の読解力がうんぬんかんぬん、という記事を読んで思い出した。
何年か前、中学2年生の女の子に、週に1回、2ヶ月ほど家庭教師をした。
結論から言うと、私には彼女の成績を上げることができなかった。
以下に続く文章は、上手くいかなかった言い訳と、「では、どうすれば良かったのか?」という問いかけ、になる予定である。
私が受け持つことになった女の子の成績は、あまり良くなかった。
分かりやすく数学(算数)を例に取ると、九九はなんとか分かるが、2桁の加減算、1桁の除算等、小3〜小4以降で習うような計算がほとんど理解できていなかった。
中2春の実力テストは、5教科100点いくかどうかといったところ。
週1で5教科すべて教えて成績を上げるのはかなり難しいと判断した当時の私は、勉強を見るのはメインの数学と、息抜きの英語に限定して、後の科目はひとまず学校の授業を受けるときのアドバイス(人に見せることを想定して板書を取るとか)に留めた。
数学では、100マス算を一日1回やってもらい、そのとき時間を測ってもらうようにした。同時に、小3と小4の計算ドリルを買って来て、一日一ページやってもらうことにした。
彼女は自分の計算に自信がなかった。また人見知りで、なかなか「ここが分からない」というのを聞き出すことができなかった。そこで、自信を持ってもらうために、まず簡単な問題を反復してもらった。
英語では、彼女がワンオクを好きだったので、ワンフレーズずつ歌詞の和訳をして、覚えてもらった。これは食いつきが良かったように思う。
2ヶ月くらい、そのようなことを続けたが、満足な結果が得られないまま、私が全く別の理由で体調を崩してしまったので、家庭教師も済し崩し的になくなってしまった。
今にして思えば、もしあのまま続けていたら成績が上がっていたか、どうも怪しい。
問題は少なくとも2つある。
まず、週1ではモチベーションを保つのがそもそも難しい、ということ。もう一つは、とかく中学生は早く大人になりたがる生き物である、ということである。
直接聞いたわけではないので確かめようもないのだが、「中学生が、小学生のドリルをこなしている」という自分の置かれた状況に、彼女自身があまり納得していなかった気がするのである。教える立場から見れば合理的のように見えても、彼女にとってそうではなかったのではないか。
(もちろん、正負の違いを数直線で教えるなど、中1の内容もフォローしていたつもりだが、ボリュームとして小さかったのは事実である)
では、私は、どうすべきだったのだろう?
「中高生の読解力が低下している」という話は昨今よく見かけるが、私はそれを嘆くより前に、教える立場から、足がすくんでしまう。