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はてなキーワード: 共有SSLとは

2015-08-07

一体なんだよこの記事

http://webbingstudio.com/weblog/cms/entry-773.html

知ってか知らずかちょっとこの記事ひどいので、突っ込む。

共用SSL証明書が当たり前?

小規模の商用サイトでは、フォーム暗号化する際には、共有SSLを利用するのが当たり前となっています独自ドメインSSL証明書を取得すると、フォームを通して得られる収益よりも、維持費の方がはるかに高くなってしまうからです。

とこの記事では書かれていますが、一体どこで「当たり前」なんでしょうか?

SSL証明書の取得費用は、サーバーホスティングによって額がまちまちなのは確かですけれども、

安く独自SSL証明書を取得して利用できるサーバーホスティングは山ほどあります

WEB制作者として「自分が良く知っているだけ」のサーバーレンタルクライアント押し付けはいませんか?

また、小規模商用サイトにしても、仮に年額35,000円のSSL証明書をつけ、かつ、月額3,000円のサーバーを借りていたとすると

月額でいえば6,000円くらいの負担ですが、

いくら小規模とはいえ、広報活動の中核をなすWEBサイトであるならば、

月額6,000円をペイできないとすると、

ちょっと商用サイトとしては破綻しているように感じます

(というか、効果測定をしていないだけ?)

改ざん認識

共用SSLリスクに関して言えば、この記事引用している、高木浩光氏の書かれている通りではあります

cookieを取得できてしまうという点においては。ですね。

で、その部分の帰結が、完全におかしい。

cookieが取得できてしまう結果として、一番最初に狙われるのは、管理画面へのログイン

いわゆるセッションハイジャックです。

ログイン状態を乗っ取られた時点で、どんなCMSでも、WEBサイト改ざんは可能です。

なぜか。

CMSは「コンテンツマネージメント」する仕組みで、

そのコンテンツは多くの場合MySQL代表されるDBに保存してあります

したがって、ファイル改ざんなどを行わずとも、WEBサイトの内容は書き換えることが可能なのです。

WEBアプリケーションの仕組みに明るくない方が読むと

「なるほど」と思ってしまうかもしれないので、

早々に訂正していただきたい。

また、この記事にある a-blog cmsというCMSについてはよく知りませんが、

多くのモダンCMSでは、ほとんどの管理画面ログインにおいて、

セッションハイジャックに対する防衛は行われていますので、

cookieの取得が、即WEBページの改ざんに繋がるような書き方も、

CMS利用者に対して、誤解を広げる結果になりそうですので、

ここも早々に訂正していただきたい。

CMSを過信していないか?

この筆者さんは、a-blog cmsというCMSを利用されているようだ。

このCMSはどうやら、PHP製ながらPHPソース暗号化しているようだ。

なるほど、それならばファイル改ざんは確かに起きにくい。

が、それはあくまで起きにくいだけの問題

こう言ってはなんですが、攻撃者にしてみれば、a-blog cms攻略するくらいならMovable TypeWordPressを攻めた方が楽というものです。

この記述むちゃくちゃである攻撃者にしてみれば、誰でも手に入れられるCMSであれば、

ファイル構造の解析はそんなに難しい話ではない。

a-blog cms公式サイトを拝見すると、MySQLを利用しているようで、

ともすれば、インストールさえしてしまえば、

ファイル暗号化はなされていようとも、DBの中身の仕様は丸見えだ。

前提条件として「知っている」「知らない」の差はあれど、攻撃に関して「ラク」というのは

どう考えても楽観的に過ぎる考えだ。

安全」の認識

最後に突っ込んでおきたい。というか質問というか。

どうも「SSLで確保される安全領域」について、かなり認識が甘いようだ。

SSLあくまで、TCP/IPネットワークにおいて通信経路を暗号化するための技術だ。

通信する際に、通信先のサーバーが正しく認証されているかどうか?に必要なのはSSL証明書

で、ここに書いたとおり、SSLあくまサーバー利用者通信においての暗号化だ。

この記事に書かれていることは「メールフォームについて」のことのようだが、

サーバーに到達したあとのメールについては安全性をかんがえていますか?

メールは全く暗号化されず平文で送信されるとても脆弱通信手段だ。

いくらSSL通信暗号化しようとも、問い合わせフォームの送信がメールだったとすると…

外部から傍受される危険性が高くなります

とこの記事ではかかれていますが、そもそもHTTPHTTPS通信を傍受するより遥かに

メールを傍受したほうがラクとも考えられるはず。

CMSを使っている方を非難するわけではないが、

CMS機能に甘んじて、こういったベーシック問題に考えが及んでいないとすると、

WEB制作者としては、ちょっと配慮が足らなくはないですか?

とおもう。

P.S SSLということばはもうないよ。

記事に対するつっこみではないですが、

SSLということばは、とても古い言葉です。

便宜上みんな「SSL」といっているだけで、

正しくは「TLS」でっせ。

 
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