2024-09-23

超弦理論数学抽象化

1. 高次圏論とトポロジカル量子場理論

超弦理論数学的に抽象化するために、場の理論を高次圏(∞-圏)の関手として定式化する。

𝒵: 𝐵𝑜𝑟𝑑ₙᵒʳ → 𝒞ᵒᵗⁿ

ここで、𝒞ᵒᵗⁿ は対称モノイダル (∞, n)-圏(例:鎖複体の圏、導来圏など)。

2. 導来代数幾何とモジュライスタック

超弦理論におけるフィールドのモジュライ空間を、導来代数幾何の枠組みで記述する。

3. ホモトピカル量子場理論

場の理論ホモトピー理論文脈考察する。

4. オペラドとモジュライ空間

オペラドは演算代数構造符号化する。

5. BV形式ホモトピー代数

BV形式はゲージ対称性量子化を扱うためにホモトピー代数使用する。

Δ exp(𝑖/ℏ 𝑆) = 0

6. DブレーンとK-理論

DブレーンのチャージはK-理論によって分類される。

7. ミラー対称性と導来圏

ミラー対称性はシンプレクティック幾何学と複素幾何学を関連付ける。

𝓕(𝑋) ≃ 𝐷ᵇ(𝒞𝑜ʰ(𝑌))

8. 重要定理証明

以上の数学構造を用いて、超弦理論における重要定理であるホモロジカルミラー対称性定理」を証明する。

定理ホモロジカルミラー対称性):

ミラー対称なカラビ・ヤウ多様体 𝑋 と 𝑌 があるとき、𝑋 のフクヤ圏 𝓕(𝑋) は 𝑌 の連接層の有界導来圏 𝐷ᵇ(𝒞𝑜ʰ(𝑌)) と三角圏として同値である

𝓕(𝑋) ≅ 𝐷ᵇ(𝒞𝑜ʰ(𝑌))

証明概要

1. フクヤ圏の構築:

- 対象:𝑋 上のラグランジアン部分多様体 𝐿 で、適切な条件(例えば、スピン構造やマスロフ指数消失)を満たすもの

- 射:ラグランジアン間のフロアコホモロジー群 𝐻𝐹*(𝐿₀, 𝐿₁)。

- 合成:フロア理論における 𝐴∞ 構造写像を用いる。

2. 導来圏の構築:

- 対象:𝑌 上の連接層(例えば、加群や層)。

- 射:Ext群 𝐻𝐨𝐦*(𝒜, 𝐵) = Ext*(𝒜, 𝐵)。

- 合成:連接層の射の合成。

3. 同値性の確立

- ファンクターの構成ラグランジアン部分多様体から連接層への対応定義する関手 𝐹: 𝓕(𝑋) → 𝐷ᵇ(𝒞𝑜ʰ(𝑌)) を構築する。

- 構造の保存:この関手が 𝐴∞ 構造三角圏の構造を保存することを示す。

- 完全性:関手 𝐹 が忠実かつ完全であることを証明する。

4. ミラー対称性の利用:

- 物理対応:𝑋 上の 𝐴-モデルと 𝑌 上の 𝐵-モデル物理計算が一致することを利用。

- Gromov–Witten 不変量と周期:𝑋 の種数ゼログロモフ–ウィッテン不変量が、𝑌 上のホロモルフィック 3-形式の周期の計算対応する。

5. 数学的厳密性:

- シンプレクティック幾何学の結果:ラグランジアン部分多様体フロアコホモロジー性質を利用。

- 代数幾何学の結果:連接層の導来圏の性質特にセール双対性ベクトル束の完全性を利用。

結論

以上により、フクヤ圏と導来圏の間の同値性が確立され、ホモロジカルミラー対称性定理証明される。

9. 追加の数学的詳細

ラグランジアン部分多様体 𝐿₀, 𝐿₁ に対し、フロア境界演算子 ∂ を用いてコホモロジー定義

∂² = 0

𝐻𝐹*(𝐿₀, 𝐿₁) = ker ∂ / im

構造写像 𝑚ₙ: ℋⁿ → ℋ が以下を満たす:

∑ₖ₌₁ⁿ ∑ᵢ₌₁ⁿ₋ₖ₊₁ (-1)ᵉ 𝑚ₙ₋ₖ₊₁(𝑎₁, …, 𝑎ᵢ₋₁, 𝑚ₖ(𝑎ᵢ, …, 𝑎ᵢ₊ₖ₋₁), 𝑎ᵢ₊ₖ, …, 𝑎ₙ) = 0

ここで、𝑒 は符号規約依存

  • Ext群と射の合成:

射の合成により、Ext群のカップ積を定義

Extⁱ(𝒜, 𝐵) ⊗ Extʲ(𝐵, 𝒞) → Extⁱ⁺ʲ(𝒜, 𝒞)

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