2024-05-25

ドラゴンズドグマ2』とても頑張って作られているが設計おかし

最初に言っておくが「リアル冒険をするために敢えて不便なつくりにしている」といった言い訳には逃げないで欲しい。

たとえば「牛車に乗っていると定期的にモンスターに襲われて牛車が壊れてしまう」というのはまったくリアルではない。

なぜなら現実でそういう状況になれば、絶対に何かしら対策をして問題解決を目指すからだ。

不便さをただ押し付けるだけではリアルにはならない。

不便さに対する「もしこれが現実ならこうやって解決するのにな」というプレイヤーの発想を実現してこそゲームリアルになるのだ。

まず、このゲームには移動手段が三つある。

一つは、当然だが「徒歩」である

もう一つは「刹那の飛石」というアイテムを使ってのファストトラベル

アイテムの数が限られていて気軽に使えないのは、なるべくファストトラベルを使わずフィールドを探索してくれ、という考えからだろう。

そして最後に「牛車」。

これは決まった区間自動で巡行する乗り物である

牛車に乗りながら「目を閉じる」を選ぶと瞬時に(ゲーム内時間は進むが)目的地に着く、つまり実質的なファストトラベルになる。

が、ゲームのコンセプトからすれば、なるべく「目を閉じる」のは避けて、のんびりと牛車に乗っていきたいところだ。

道沿いの敵を倒しながら進むのも、ふと遠くに見えた建物を目指して途中下車するのも、いかにも冒険らしいじゃないか

……と思ったら、これが遅い。あまりにも遅すぎる。せめて徒歩と同程度の速度はあってほしかった。

このカタツムリのような速度で目的地に向かうのは非現実である

から「目を閉じる」でファストトラベルせざるを得ない。

ファストトラベルをして欲しくないのではなかったのか?

牛車は「夜間は休んで安全な昼間だけ走る」設定のはずなのだが、この遅さのせいで目的地に辿り着くまでに確実に夜に突入する。

そして夜になったために湧いてきたモンスターに襲われて牛車破壊されてしまう。

途中でキャンプでもすればいいのに。そのほうがよほどリアルだし、旅っぽいと思うのだが。

このゲームフィールドは高低差がきつく、街道から少しでも離れると崖だらけになって、まともに進めなくなる。

まり道なりに進むことを余儀なくされる。プレイヤーの行動範囲が道沿いに限定されてしまう。

見晴らしも悪いので「遠くに見えるあの建物を目指してみよう」といったオープンワールドならではの体験も起こりにくい。

そしてプレイヤーが道沿いでしか行動できないということは、強力なモンスターも道沿いに配置しないといけないということだ。

牛車が行き交う主要街道に、巨大なサイクロプスミノタウロスが頻繁に登場する。

この世界物流はいったいどうなっているのだろう。

王都のすぐそばオーガがよく出現しているのだが、あの暇を持て余している兵士たちは討伐に向かわないのだろうか。

たとえば、街道兵士が警備していてわりと安全であり、街道から離れるほど強力なモンスターが出現しやすい、といった設定でいいのではないか

ゲーム体験メリハリもつくだろう。

たまに街道に大型モンスターが出現したら、大騒ぎになって討伐部隊が結成されて、そこに主人公も参加できる。

みたいな感じにすれば、それ自体面白いイベントになると思うのだが。

開発陣がとても頑張っていることはよくわかる。

かなり規模の大きなオープンワールドを作り上げているし、戦闘システムにも光るものがある。

NPC制御なんかも凝っていて、プレイヤーの行動に応じて意外な反応があったりする。

シナリオは薄味で、セリフ淡白で、イベントバグだらけで、ロールプレイしようと思うと冷める瞬間が非常に多いのだが。

それでも「開発陣はこういうことがやりたいんだろうな」というのは伝わってくる。

そのコンセプトは魅力的なのだが、それを設計していく過程でどこかがおかしくなっているのだと思う。

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