2024-02-04

わたしテレビが見れない

はじめに、特定防止のため下記には一部フィクションを混じえています。ただ被害内容に一切のフィクションはありません。

俳優いじめられていた。

ドラマ映画バラエティCM、いやでも目に入る。

わたしは彼に暴力をふるわれたことがある。

暴言を吐かれたことがある。

それを「いじめ」だとは思いたくない。わたしにとって彼は「加害者」で、いじめなんてそんな言葉で片付けられるほど克服できていない。

名誉を考えるならば、加害者は彼だけでは無い。複数名のうちのひとりであって、主犯でもない。

いじめ」られていたのはもう何年も前で、今更どうこうしたいわけじゃない。いわゆる時効だと思う。

ただ、彼は知っているだろうか。

テレビでお前の名前を耳にするだけで過呼吸になる人がいるということを。

トラウマにも時効があればよかった。

もう何年も耐えたんだから、「時効です。もう無効です」って、トラウマも消えて無くなってくれればいいのに

きっと彼はいじめてた記憶なんてないと思う。わたし存在は1mmも覚えてないだろう。

たとえ思い出したとしても、笑うかもしれない。

「俺だけじゃない。みんながやってたじゃないか

かにそうだ。

「ブス」「○ね」「きえろ」と言ったのもそうだね、お前だけじゃないね

きもい」とお腹や踝を蹴ったのもお前だけじゃないね

「俺だって悪いところだけじゃなかったじゃないか

お前はたまに優しく笑ったし、普通に会話もできた。その前後罵詈雑言暴力があっただけだ。

芸能事務所に入ったらしいという噂を聞いたのは、お前から離れて1年経ったくらいだった。

あんなやつ絶対売れないだろうと思った。

だって、そんなのずるい。

毎月通院し、昔のことを思い出さなくなったころ、とある再現ドラマに彼が出演していた。

優しい先輩とか、そんな感じだった気がする。

NEXT俳優」として彼を応援する声が増えた。

夢を叶えているんだね。

わたしはお前の名前を見るだけで全身が冷たくなって震えて涙が出て、苦しかった毎日に戻ったかのようにしにたくなるというのに。

テレビが好きだった。

ドラマも、バラエティも。

そんなテレビに彼が一瞬うつるだけで頭が真っ黒になる。

わたしが何をした」「この症状ときっと一生付き合わないといけない」

テレビトラウマスイッチになるだなんて想像したことがなかった。

「彼はそんなに酷かっただろうか。他の加害者に比べたら優しかった。会話もした」

そう言い聞かせた時期もあった。だけど心は正直なのか、頭を使って言い聞かせても苦しみは変わらなかった。

好きになりかけたアイドルが彼と仲いいと聞いた。

「そっち側」なのかと思った。

何年も前のことだけど、人はそうそう変われない。

わたしの症状が変わらないなら、いっそそのままお前も加害者らしく生きてくれた方が恨める。

一体彼はどんな顔して活動しているのか気になってネット記事を見たことがある。

学生時代やんちゃをしていたと明かしたらしい。「今の印象とは違うギャップも素敵ですね!」と書かれた一言に心がぎゅっとなった。

誰かが素敵だと思うギャップも、やんちゃだと明かされた過去も、わたしにとっては一生付き合わなければいけないトラウマだ。

いつか誰かが実名暴露をしたとしても「若気の至り」だとか、「何年も前のことを今更言うのはおかしい」って、彼の人生も私の人生責任を取らない人たちは言うだろう。

(追記、実際にこの記事投稿してすぐ嫌味に溢れたコメントがついた)

地に落ちてほしい。

誰よりも不幸になってほしい。(もちろん彼だけではなく加害者全員そうだ)

だけど、きっと彼はこのままもっと活躍すると思う。

国宝級イケメン」と。

から諦めた。

わたしはもうテレビが見れない。それしか自分を守れない。

ただ願う。

わたし好きな芸能人と仲良くありませんように。

ルイヴィトンのショーに招待されませんように。

伊坂幸太郎先生作品実写化キャスティングされませんように。

わたしと同じように被害者だったあの子たちが同じように苦しんでいませんように。

そして、もし暴力暴言に苦しんでいる人がこの記事を目にすることがあれば言いたい。

あなたひとつも悪くない」

「逃げていい。逃げなきゃいけない。逃げたくらいで失うものなんて最初から必要ない」

自分の身を守れるのは自分だけだ。誰よりも自分を愛して大切にして」

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