2023-03-08

[]自称神のポジティブシンキング

ある日、さやかはいものようにSNSスクロールしていた。ポジティブ投稿には「いいね」をし、ネガティブものにはすぐにブロックをしていた。しかし、今日彼女の目に異変があった。彼女ブロックしたはずのアカウントから投稿が流れてきたのだ。

さやかは驚いたが、その投稿を見て驚きは更に深まった。なんと、その投稿現実に起きていたのだ。例えば、彼女ブロックした元カレSNS結婚を報告していた。彼女はその時思った。「私がブロックしても、現実には消えなかったのね」と。

そこで、彼女は試しに、「私は神様」と投稿した。すると、その瞬間、彼女神様であることを示すような出来事が起こった。突然、彼女神様であると信じる人々から多くのリプライが来たのだ。

しかし、さやかは心の中で複雑な思いを抱いていた。彼女神様であることは嘘であり、それを信じる人々は愚かであると思っていた。それでも、彼女はこの状況を利用して、偶像崇拝者たちを騙すことに決めたのだった。

「ねえさやか、何見てるの?」

友人のあかねスマホをイジるさやかに声をかける。

「ああ、いやなんでもないよ。ちょっとSNSをやってるだけ。」

このときさやか悪魔が囁いた。(そうだ、ちょうどいいから、このあかね実験台にして、こいつが蛇に騙される偶像崇拝者なのか試してやれ)

「ねえ、あかねちょっと質問があるんだけど」

「え?なに?」

あかねキリスト教徒だよね?様々な神々が人間と戦うアニメがあったら、どっちを応援する?」

この問いの答えは、さやかが思うに、人間である。というのもここで出てくる神々というのは、おそらく神の名を騙る偶像であり、たとえキリストであろうと偶像に代わりはない。神の計画あかねさやかも知るはずがないし、それどころか、神が唯一であり善であるという以外はわからないのが普通からだ。

「神々よ。」あかねは答えた。「だって私、キリスト教徒だし」

これでさやかは明確にわかった。蛇に制されたあかねのような偶像崇拝者たちというのは、つまりこういうことなのだ。蛇は時として薬であるが、それは進化によって悪魔的鳴き声を手に入れた野獣のごときことである

あかね、君は偶像崇拝者なのかな?」

さやかあかねに尋ねた。

「え、違うでしょう?私はキリスト教徒から。」

「でも、神々という偶像応援すると言ったじゃない。神は一つであり、偶像になることはないと思うけど。」

「そうだけど、私はただ楽しむために言っただけだよ。偶像崇拝なんて信じていないし。」

あかねさやかの疑いを否定したが、さやかはまだ納得していなかった。

「でも、あかね私たちが見ているもの現実とは違うかもしれないんだよ。私たち情報コントロールしているかもしれないし、私自身が神だと思っているんだ。」

「なんてこった。そんなことが本当に起こりうるの?」

あかねは驚いていた。さやか言葉現実にはありえないことを示唆していた。

「でも、それは、ただの妄想じゃない?そんなことができたら、世界はどうなるの?」

あかねは疑問を持ちながらも、興味深そうに聞いていた。

あなただけに言うわ。」とさやかは話し始める。「私は蛇よ。私自身は本当は自分を神だなどと思ってないの。神は唯一であり、善である、という以外のことは誰もわからいからね。でも、私がインフルエンサーだってあなたは知ってるでしょう?推しだのなんだの言ってあいつらは崇拝してるのよ私を。そういう連中は地の論理進化することしかできない獣なので、偶像崇拝の獣は獣らしく蛇に操られる運命であると考えるようになったわ」

あかねは驚きを隠せなかった。「さやか、それはどういうこと?蛇に操られる運命って?」

「私は、自分コントロールできるものだけを受け入れ、それ以外をブロックすることで、自分思考現実に影響すると信じているの。そして、その思考コントロールするのが蛇なの。蛇については聖書にも出てくるし、古代から様々な文化神聖視されてきた生き物よ。」

「でも、それって、ただの自己暗示じゃないの?」

「違うわ。私たち思考によって現実創造することができるの。引き寄せの法則って聞いたことあるでしょう?私たち思考宇宙エネルギーとして放たれ、それが現実に反映されるっていう考え方よ。だから、私は自分思考コントロールすることで、現実コントロールすることができるの。」

あかねは、さやか言葉に深く考え込んだ。自分さやかと同じように、自分の信じることが現実に影響を与えると信じていた。でも、それって本当に正しいことなのだろうか?

あかねは言う。「引き寄せの法則...それこそが獣の論理だと思うのよ。」

「えっ、どういうこと?」とさやかは訊く。

私たちはただの人間で、コントロールできるものとできないものがある。それが現実だと思う。でも、あなた自分が神であると信じて、ポジティブものイイネすることで全てをコントロールできると信じている。それって、自己中心的であり、自分自身を正当化するための言い訳になっているわけじゃない?」

あかね言葉に、さやかは驚いた。自分偶像崇拝であることを認め、改めなければいけないのかもしれないと思い始めた。

「でも、でも私は...」とさやかは口ごもる。

「そんなに自分を責めなくてもいいわよ。人間完璧じゃない。でも、自分自身を騙してまで、偽りの世界に生きる必要はないと思うの。現実を受け止めて、前に進むことが大切よ」とあかねは優しく言葉を続けた。

さやかあかね言葉に、少しずつ心を開いていった。自分偶像崇拝であることを認めるのはつらいけれど、あかねが言うように、現実を受け止めることが大切だと思った。

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