Colaboの件が赤い羽根共同募金のほうに飛び火しているようです。一般論として、募金する際にはそのお金が何使われているのかをきちんと把握することが望ましいでしょう。とはいえ、数多の選択肢がある中で、どこの団体がどういう活動をしているのか把握し、募金先を選ぶのは簡単ではありません。ここでは、アメリカのGiveWellという非営利団体が公開しているおススメの募金先を紹介します。
このGiveWellという組織は名前の示す通り、どうすればWell(効果的に)にGive(寄付)できるのか、という質問に答えています。具体的にはインパクトがあり、対費用効果の高い支援をしましょう、というのが彼らの主張です。彼らは客観的な証拠と分析に基づいて寄付先を選んでいます。彼ら自身もファンドを作り、そこに寄付することもできるのですが、ここでは彼らのOur Top Charitiesというページに紹介されている四つの活動と組織 (https://www.givewell.org/charities/top-charities) を紹介します。個々のサイトにいけばクレジットカード経由で寄付ができます。円での寄付ではないので、ドル変換の手数料がないカードが望ましいかと思います。ソース、レポートなどは元のページを参照してください。要約です。特に僕の意見は入っていません。翻訳が専門ではないので、誤訳があればご指摘ください。
マラリアによってサブサハラアフリカで五歳以下の子どもを年間60万人以上、死亡しています。季節的なマラリア予防薬は、マラリアの感染率が高い一年のうち四か月の間に投与されます。これは平均的に5000ドルで一人の命を救うことができるようです。いくつも質の高い研究でこのインパクトは確認されています。この活動で推奨されているMalaria Consortiumは信頼できる定期的なモニタリングを行っています。
上で述べたように、マラリアはサブサハラアフリカで子供たちの命を奪い続けています。蚊帳を吊るしてそこで寝ることで、子供たちはマラリアを媒介する蚊に刺されずに済みます。一つの蚊帳はだいたい5ドルかかり、一人の命を救うのに、平均で6500ドルで一人の命を救うことができるようです。いくつも質の高い研究でこのインパクトは確認されています。この活動で推奨されているAgainst Malaria Foundationは信頼できる定期的なモニタリングを行っています。
ビタミンA欠乏症は子供たちを感染症にかかりやすくし、そこから死に至ることもあります。GiveWellの推定では20万人の子どもが毎年、ビタミンA欠乏症によって亡くなっています。このプログラムはビタミンAサプリメントを五歳以下の子どもたちに与えることで、ビタミンA欠乏症を予防します。2021年の推定では、この活動で推奨されているHellen Keller Internationalでは、およそ3500ドルで一人の命を救うことができるようです。いくつも質の高い研究でこのインパクトは確認されています。Hellen Keller Internationalは信頼できる定期的なモニタリングを行っています。
2019年、ナイジェリアでは43%の幼児が推奨されるワクチン接種を完了していません。このプログラムでは養育者に金銭的なインセンティブを与えることで、幼児に定期的なワクチン接種を促し、その幼児の病気を予防し、死亡率を下げるものです。この活動はナイジェリア北西で行われています。このプログラムでは一人の幼児にワクチン接種を行うためにおよそ160ドルかかります。2020年においては、このプログラムは一人の命を平均5000ドルで救えると推定されています。いくつも質の高い研究でこのインパクトは確認されています。New Incentivesは信頼できる定期的なモニタリングを行っています。
このGiveWellという団体は効果的な利他主義を意識していて、ドルあたり救える命を最大化しよう、という発想が根底にあります。上記のような途上国の問題は一人の命を救うためのコストが安く、同じ寄付額でより多くの命を救うことができます。過去にはアメリカでの活動も別に推奨していたようですが、今はやめているようです。僕自身は効果的な利他主義は好きではありませんが、この基準は命が平等だと思うのであればきわめて妥当な議論だと思います。
GiveWellが紹介する団体を四つ取り上げて、紹介しました。必ずこれらの活動に寄付しなければならない、というものではありませんが、妥当な募金先が、適切な理由で選ばれていると思います。これを機に、どこに募金するのがいいのだろうか、と考えて頂けると非常に嬉しいです。僕はUNHCRに寄付をしていますが、これを見て、ちょっと考えてみようかと思います。本当は日本でもGiveWellのような団体があればいいのですが…。
日本でGiveWellのような団体を作るとなると、寄付や支援活動に通じた専門家や 省庁にも顔が利く重鎮や、人権に詳しい弁護士、海外のNPONGOともつながりのある大学教授 などを理事に迎え...
日本みたいな先進国は最初から除外でいいでしょ。 大変だなんだと言っても物理的に食事が手に入らないとか戦争に巻き込まれているわけでもない。 もちろんそれなりに苦労はあるのだ...
元増田です。GiveWellは金融系の会社に勤めていた同僚八人が、自分たちで寄付しようとしても、寄付先を選ぶための客観的な情報が見つからない、というところからはじまったものです。...
たしかに日本で募金活動して日本国内でそのお金を使うのは止める方がいいよな すぐに癒着してお金をチューチューしようとするやつが出てくるから、集める国と使う国は分けないとダ...
日本ユニセフについてはどうお考えですか?