投資というか現金以外の蓄財、貯蓄って、自分の生活サイクルや人生のルートがある程度まで見えてる人が余った金で始めればいいことだと思うので
始めるのが早いほど長期投資はお得、若いうちから投資しとくべき、という惹句は若干の嘘があると思う
ちょうど後藤邑子さんのインタビュー記事がバズってるので引き合いに出させてもらうが
後藤さんのように10代の時点ですぐ死ぬ宣告された人間がいたとして
その人に「将来を見越して長期投資を始めとくべきだよ」と言うの、何か意味があるんだろうか
結果的に後藤さんは生き延び、いっときは「将来を見越して」役所勤めのための人生設計をされてたようだが
すぐに殆どすべてを投げうって先の見えない役者人生へ進み、しかもその後も悲劇的なご不幸を前に挫折しかかったとき、
ほとんど将来設計に関係ないデカい買い物をすることで、その先の人生への一歩を踏み出したと仰ってる
その買い物と長期投資の、どちらが「良い買い物」なのか
ご本人次第としか言いようがない
そこまで極端でなくとも、まだ人生の岐路が定まっていない人にとって、貯蓄は山ほどある選択肢のうちの一つでしかない
生活費以外の全てを自分の趣味につぎ込む人はいていいし、趣味でもない程度に付き合いで散財する人がいてもいい
人生の先がまだ見えておらず、今、このタイミングで有り金を全部使うべきという瞬間がまだ見えてない、
もしかしたら2、3年後にそういう瞬間が訪れるかもしれない人にとって、長期投資が意味あるかというと、あまりない
自分の人生に必要なタイミングで株が暴落してるかもしれないわけで
「貯蓄先が日本円での銀行預金か、米国株か、国債か、etc」という比較の話をすべきで、その際には何なら
「銀行預金とは何か、その利点は何か、今、なぜ銀行預金がリスクとなるのか」という説明をすればいいと思う
(センセーショナルな説明で銀行取り付け騒ぎが起きない程度にまともな説明でやってね)
というかね
長期投資はプラスサムゲームというけど、その投資された金を誰かがいま、成長に資する内容に使ってくれていないと、その先の「成長」はないのよ
じゃあ誰がどう使うのがいいかというと、若い人が勉強したり子育てしたりして人間社会全体が拡大してくことでしか「市場の拡大」はないのよ
経済は「信用」で、信用は人間同士のやり取りのことであって、人間が多数いないといけないんだから
極論、生産年齢人口の全員が株式市場の数字を眺めるのに1日の時間の半分を使っていたら、生産性なんてダダ下がりでしょう
若い世代の人に投資の勉強(というか通貨とか信用とか経済活動の勉強)させろというのはいいけど
むしろ若いうちは投資の勉強に時間を使うより、手に職の技術や経験の獲得に時間を使って欲しいのよ
なぜって、そうしないと老人たちの投資の向かう先がなくなるから。経済成長は人間の成長の合計ですからね
なんなら、後藤さんに上京の資金を出してくれたM先生だって「投資」でしょ
若い人は自分が投資する側に回るより、むしろ後藤さんのように、ご家族やM先生や周囲の多くの方々から投資を受ける側であるのが、
そしてその投資の結果を世の中に知らしめてくれるのが(ささやきボイスであれハルヒダンスであれ)
「若いうちから市場をちょっとは勉強しておけ」まではまだわからなくもないけど、「早いうちから投資を開始しろ」というのは高齢投資家たちのエゴだと思う
その分のリスクは自分たちで負って、これから成長する層へのリターンの厚みを増やしてあげるべきなのよ、利回り1%ぐらい削ってさ
下心。P活 なんなら、後藤さんに上京の資金を出してくれたM先生だって「投資」でしょ
すぐ死ぬなら投資しても意味がないなんて勉強でも仕事でも一緒やろ。 明日のない奴は何をやっても無駄やで。
いまバズってるのは「20年、30年先には必ず上がっている」という長期投資は正しいから全員が今すぐ始めるべきって説だけど そちらに金をまわすより、10日後の音楽コンサート...