2022-01-23

クラウド事業者に「技術者の経歴書を出せ」、レガシーマインド企業

沢渡 あまね=あまねキャリア

2022.01.21

出典:日経クロステック2021年10月27日

記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

 「いやー、参っちゃいました……」

 先日、筆者が懇意にしているITベンチャー企業取締役からこんなメッセージを受け取った。

 彼女取締役を務めるこの会社は、企業向けのクラウドサービス提供している。ある日、大企業情報システム部門から引き合いを受けたとのこと。話が進み、受注する流れに。ところが彼女はその後に先方から言われた一言に驚く。

 「このサービスの構築と運用に関わる、技術者の経歴書を提出してください」

パッケージ教育プログラム利用に独自書類提出を求める大企業

 クラウドサービスを利用するのに、相手方技術者の経歴書を求める。何とも理解に苦しむ話である。この情報システム部門担当者は、クラウドサービス、いや、サービス提供型のビジネスモデルを分かっているのだろうか。

 これまでの受託型のシステム開発のお作法そのままに、悪気なく相手に経歴書の提示を求めている可能性も否めない。クラウドサービス事業者を、請負派遣SESベンダー勘違いしているのであろうか。そうであるにしても、個人の経歴書や履歴書を求めるのは契約形態によってはNGまたはグレーであるが……その点についてはいったん脇において話を進める。

製造業型のプロセスルール踏襲する情報システム部門問題地図

出所:あまねキャリア

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 筆者も最近、似たような経験をした。当方提供する、とある人材開発組織開発プログラムテーマはDX関連)に関する話だ。これは、れっきとしたパッケージサービスであり、金額、申し込み方法、支払い方法Webサイトに明示している。

 ある日、ある大手製造業情報システム部門から申し込みがあった。そこまではよい。

 まもなく、その部門経理担当者(と思われる方)から一通のメールが。ファイルがいくつか添付されている。取引登録書類を提出せよとのこと。お約束のように押印欄まである

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