書いてること大体同意するよ。近代化が(俺は「都市化が」が正確だと思う)少子化の主因で育てにくさは関係ないこと、3人産む家庭を増やさねばならないが今の政策がそっちを向いていない事、少子化対策と個人の自由や利益が相反すること、その通りだと思う。
だいたい同意するが、主な結論「だからモラルや人権を一部制限して人口増を目指せ」には同意しかねる。
第一に、モラルや人権を排した以上、人口増を正しいとする根拠がない。
君は人口減を悪と前提したまま議論をスタートして終えたが、なぜ人口減と国家の衰退が悪なのかを論じることができないでいる。論理的にいって「幸福を減ずるぐらいであれば日本国ぐらい衰退してもいい、多民族国家になってもいい」という考え方もある。それは単なる政治的選択、プレイスタイルであって、誰にも否定することはできない。本来は、国家と地域の繁栄はモラルの一部だったはずだが、しかしモラルは少子化対策によって廃されると君は言う。それはだめだ。モラルを捨てることはすべきでない。したがって君の言うとおりにすべきでない。
第二に、すべきすべきでない以上に、単に不可能だ。
個人と集団が対立する以上、個人は集団に歯向かうだろう。端的にいって、君の言うとおりにやると、クーデターが起きる。少子化対策の効果が出る前に、クーデターに対応するために軍備を増強しないといけない。それは可能なのか。そもそもモラルを排する事業を実施しようとしている以上、軍部だって少子化対策に賛成しない公算が高い。無理だろう。君の言う少子化対策は不可能だ。
君の言うようにやらないといけないが、君の言うようにはできないので、つまり完璧な少子化対策は望めない。
ではどうするかというと、もう労働力を子育て以外の方法で生産するしかないだろう。
AIとロボットの発展が著しい。機械の労働者に働かせれば、人口減状況でも労働力ひいては経済力を維持できるかもしれない。
バイオ技術の発展もある。今のところ人間を生産し得る人工子宮は完成していないが、そう遠くない未来に実用化はすると思う。女性の妊娠を経ずに子供をもてるなら子供を持つ家庭は増えることが期待できるし、いざとなれば国家が人口を生産するかもしれない。
ブログ中で述べられている通り、いまのまま人口が減少しても、消滅までは200年ある。ここ200年の技術進歩と社会の変化を考えれば、何があるかわからない。国家は人口が多いほうが望ましい、という歴史の前提は、ひっくり返りかねない。その兆候は既に見えているのだ
それゆえ、直近の「少子化対策」の主目的は、それが可能になるまでの時間活動であるべきだ。なにしろ滅ぶまで200年あるが、200年しかないともいえる。この期間は長ければ長い程いい。出生率が2.0にならずとも、1.7や1.5になれば、猶予期間は300年400年にすることができる。それを目指すべきだ。
この視点に立てば、実は現行の、社会での育てやすさを向上していく方向性こそが正しい。出生率2.0に達することは決してないが、出生率の向上自体は望める上に、社会全体の幸福度もあがり、クーデターのような極端な状況の予防になると思われるからだ。
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