2020-06-29

バイト日記

 昨日も私のレジしか並ぼうとしないお客様が来店。その時も私はカフェマシン洗いに没頭していたのだが、日曜の夕方にも関わらず、急に混み始めたのでレジに戻ったその時に、私のレジしか並ぼうとしないお客様が列の前から三番目くらいに並んでいてこっちを見ているのに気づいた。私はついうっかり素が出てしまい「またお前か!」という気持ちを眉間の皺で表現してしまった。そしたら私のレジしか並ぼうとしないお客様はなんというか、友達にでもするようなアイコンタクトを返してきた。それで、私のレジしか並ぼうとしないお客様は順番通りにAさんのレジの方に行った。それが夕方6時くらいのこと。

 私のレジしか並ぼうとしないお客様夕方そんな感じで私のレジ会計できないと、必ず20時~21時の間に再来店する。その口実なのか何なのか、1度目の来店のときタバコを買わずに帰って、二度目にタバコを買うのだ。

 で、やっぱり昨日も私のレジしか並ぼうとしないお客様は21時になる少し前に来店して私のレジ会計をしていった。しかもつれの人数が前回よりも増えている。前回の、年配の男性でどうやら私のレジしか並ぼうとしないお客様が私のレジに並ぶ為に当店に来ていることをわかっていてわざわざ着いてきている人と、その人と同じくらいの年齢に見える女性だ。なんなんだろう、この三人組……家族

 三人組は外の、私のレジからよく見える位置でしばらく立ち話をしていった。煙草一本吸い終えるくらいの時間だろうか。実際、私のレジしか並ぼうとしないお客様はこっちに背を向つつ喫煙していた。灰皿から距離あるんだけど、吸殻ちゃんと灰皿に捨ててったのかどうか。

 私のレジしか並ぼうとしないお客様が車を停める場所はいつも決まっていて、店の出入り口の一番近くで、私がいるレジがよく見える所なのだ。私のレジしか並ぼうとしないお客様は店を出たあとも長時間車の中にいることが多い。昨日の二回目のときは、私のレジしか並ぼうとしないお客様が来店する前から、その場所にピカピカの黄色い高そうな車が停まっていた。

 三人組が帰って行ったあと、Aさんが

「予想通り、またヤツは来やがりましたね!」

 と言った。毎度のことだがAさんは結構楽しんでいる……。Aさんが言うには、夕方想定外ピーク時に私のレジしか並ぼうとしないお客様は店内をうろうろ徘徊したあと、レジ待ちの行列に並んで斜めに顔を出し、前の客の人数を数えて、私のレジに並べそうにないと判断したのか列を外れ、またしばらくして並び直して同じことをして列を外れ、三度目にしてやっと、しぶしぶと言った感じですごい不機嫌ヅラでAさんのレジに来たし煙草も買っていかなかったという。そんなんだったので、Aさんは「ヤツはまた必ず来る!」と思っていたそうだ。並び直してるとか、私は全然気付かなかった。

 私のレジしか並ぼうとしないお客様のよくわからん所は、あからさまに私のレジに並ぶことに執着しているのに、第三者目線から見ても私のことを全く好きそうな感じではないというところだ、とAさんが言った。私から見てもほんとその通り。思いかえせば、あのお客様は前からたまに来る人だったが、頻繁に来店するようになったのは去年私が入店してからで、以来Aさんは殆んどあのお客様会計をしていないという。来店の頻度に対して明らかに会計する回数が少ない、と。で、この間の金土と、Aさんは都合で珍しく二日連続シフトに入っていたらしいのだが、その二日とも、私のレジしか並ぼうとしないお客様は来店しなかったという。私のいる火木日曜にしか、あのお客様はやっぱり来ないのだ。

 性別を問わずお客様の中には店員の片方が男でもう片方が女だったらどっちか特定性別を選びたがる人がいる。例のお客様も、もしかすると私に執着しているのではなく、女に接客されることに執着するタイプである可能性はある。今、当店の夕勤で女は私だけだし。

 この春までいたベテランパート女性と組んでいた時はどうだっただろうか? あの頃も私だけが執着されていただろうか? と、記憶を辿ったが、よくわからない。その頃は全然気にもとめていなかったからかもしれない。

 前に勤めていた店ではどうだっただろう? あの頃は、私はほとんど七十歳近い女性バイトと組んでいた。思い返せば、二人で店番をしているわりには、あのお客様を見る機会がおおかったような気がする。当時も「この人よく来るな」とは思っていたけど、それはお客様が毎度来るとき同じ派手な色のTシャツを着ていて目立つからそう思ったのだ。でも、当時もあのお客様はわざと私のレジに並んでいたのだろうか?

 まあ、うっすらと気持ち悪いものの、例えば「出待ち」みたいな明らかに一歩踏み込み過ぎなことをする訳でもないので、気を付けるったって何も対策は取れないのだが、前々から粘着されているのは確かなので、これ以上の何かをされたらオーナーに即相談ですな、とAさんと話した。

 AさんにしろBさんにしろ、私が特定お客様にどうやら粘着されているようだというボヤキを聞いて、即座に気のせいwwwと笑ってバッサリ一刀両断せずに、粘着現場を観察したり検証したりして事実であると確かめてくれて、実に親切というか……まともな対応をしてくれたのだが、こんな「まともな対応」を仕事でされたことって過去にないので驚いている。いや、これで驚く私のこれまでの人生おかしいのかなあ。

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