他人の外見に口出しする人が苦手だ。
たとえば久しぶりに会った人に、開口一番こう言われることがある。
「あれ、○○、少し痩せた?」
驚いて相手を見て、それからああ、うん、どうかな、などと曖昧な返事をする。相手はニコニコしていて、私の戸惑いには気づいていないようである。おそらく、ある種の人にとっては、他人の外見に口出しするというのは挨拶のようなものらしい。
この態度から考えるとおそらく、私は痩せたと言われて喜ぶことを期待されているのだろう。しかし私は痩せるということイコール喜ばしいこととは考えていない。痩せた体型も太った体型もその人の個性であって、どちらが良いと一概に言うことはできない、と思う。また痩せた体型を礼賛しすぎることは無理なダイエットに繋がって危険である。痩せた体型が美しいという価値観を持っていたとしても、それを他人に押し付けるのは暴力以外のなにものでもない。以上のことから、この発言は私にとって嬉しくもなんともない。むしろ、不快だ。
思ったことを言おうか迷っているうちに会話はいつの間にか終了している。女性同士でやりがちなコミュニケーションだが、これは悪意がないだけまだいい。問題は男性が女性の外見に口出しする時だ。
今まで女性として生きてきて、私は当然のように男性から外見について様々なことを言われてきた。同じサークルに属しているというだけで、一度もまともな会話すらしたことがなかった人と、たまたま飲み会で向かいの席になった。その人は今までずっとこれをやりたかったとばかりに、私の外見に関する1人品評会を始めた。
「○○さんてぇ、前から思ってたンスけど、顔丸いですよね」
「目は大きくて綺麗だと思いますけど、もう少し痩せたほうがいいと思いますよ」
「服はもうちょっと女の子らしくしたほうがいいと思います、ピンクとか」
他にも色々言われたがよく覚えていない。あまりのことにうまく反応できず、また曖昧に笑って会話を流してしまっていたと思う。周りの人が「おいやめろ」などと言ってくれていたのが救いだった。しかし、2chのグラドルスレの書き込みのような、つまり便所の落書きのようなことを、現実世界で関わりのある人間に面と向かって言える人がいるなんて想像すらできなかった。
こういう「挨拶がわりに他人の外見に口出しする人」に数えきれないほど遭遇してきた。人に頼まれてニコ生公式に出たらコメントで顔がどうのだの何カップだの豚だの書かれたこともある。生放送ってね、コメントはリアルタイムで相手に見えてるんですよ…。
私は毎日鏡を見ているし、自分の写真も定期的に撮っているので、自分がどういう外見なのかある程度は知っている。だからわざわざ人に教えてもらう必要はない。また改善したい場所があれば自分で改善するので、コンサルタントやマネージャーも必要ない。
女優やモデルであれば口出ししてもいい、と思っている人もいそうだが、ああいった行為もやめたほうがいい。当たり前だが他人の体は他人の物であって、「もっとこうだったら自分に都合がいいのに」などという自分勝手な欲望を撒き散らしていいわけがない。
外見に関するコメントというものは非常にデリケートで、人種差別につながったり、その人が触れられたくない、病気や悩み事などの個人的な事情に不躾に触れてしまうことになりかねない。だから、出来る限り口にしない方が無難である、と私は考えている。
最後に一つ。どんな人もその人自身の美しさを持っている、と私は思う。もし他人の外見を貶すことで劣等感を癒そうとしているのだとしたら、それは傷を広げることにしかならないからやめておいた方がいい。なぜなら他人の外見を貶す人間は醜いからだ。まずは鏡に映った自分をよく見て、悪くないな、と思えるようになったら、他人の外見を貶す気は起こらないのではないだろうか。
単に増田がニコ生出るような界隈にいるから空気読めないキモオタ遭遇率が高いだけじゃないの?
男でもダサいとか似合ってないとかよく言われると思うけど その女だけどうたらみたいな異様な被害妄想やめてくれない?