2019-04-28

ヒットポイント

RPGで用いられるヒットポイントは、その言葉の通り、そのユニットを行動不能に追い込むためにどれだけの有効打撃を加えなければならないか、を示すもの。体力や、生命力といった個人属性でもなければ、回避能力、防御力といった能力でもない。定義からして、対戦相手視点が前提とされている。

これを、日本語に訳す際に、体力や生命力と訳してしまうのは、誤訳といってもやむをえない。正しくは、戦闘継続能力とするのが良いだろう。もっというと、有効打撃を受けることで、戦闘継続能力が低下するのは、ケガをするからではない。

ボクシングでいえば、打撃で失神してしまい、倒れてしまったした状態テクニカルノックアウト)がHPゼロであるが、ケガをした場合、倒れてしまった状態とは限らない。

ファンタジー世界でいえば、有効打撃とは、打撃ももちろんだし、刺突、斬撃、射撃といった力学的な攻撃に加え、熱、電撃といった電磁気学熱力学的なエネルギーを用いた攻撃もあげられる。化学的なもの心理的精神的なものや、魔力的・霊的なものだって世界観によっては付け加えることができる。

また、対戦相手から見たヒットポイントという趣旨安易拡張すると誤解すると、間違いが生じることに注意したい。キャラクター個人戦闘継続能力はあっても、捕虜となったり、指揮権が失われたり、作戦意思がなくなった場合には、当然戦闘をすることができない場合があるが、これは対戦相手が「有効打撃により」そのキャラクター戦闘不能に追い込んだからではなく、捕縛したり、指揮能力を停止せしめた結果であるから戦闘継続能力は失われてない。つまりHPが失われたわけではない。阻害要因がなくなれば、戦闘継続できる。能力が失われたと解釈するのは、阻害要因能力喪失混同である

ヒットポイントゼロ状態

ダメージを受け、戦闘継続能力は失われた状態が、HP0となる。


応用例

ヒットポイントが下がると攻撃力が下がらないのか

戦闘継続能力とケガの関係は、上記で論じた通りである戦闘継続能力が低下すると、ケガの場合も多いだろう。それに限らず、打撃を受け足が止まり、視界がぼやけ、という状態になると、攻撃力も失われるのではないかと思われるかもしれない。しかし、このような状態は多くの場合、すでにHPゼロなのであり、攻撃などできていないと解釈すべきだ。逆に負傷したからと言って、攻撃能力が損なわれていない、戦意が旺盛なのであれば、戦闘継続能力は損なわれておらず、当然攻撃健康時と同じ状態でできるとする。

ただ、ヒットポイント上記定義である以上、ケガをして倒れてしまったら、HP0とみてよいのだと思う。

<参考>

http://beoline.nobody.jp/bandterm-ha.html

ヒットポイントの項参照

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